メジャーリーグ機構は60試合制を主張 選手会に対案を提示せず

ESPNのジェシー・ロジャースによると、メジャーリーグ機構は70試合制でのシーズン開催を要望しているメジャーリーグ選手会に対し、さらなる対案の提示を行わないことを決めた。メジャーリーグ機構はすでに100%の日割り給与を保証したうえでの60試合制を提案しており、このプランを変えるつもりはないようだ。

機構側からの通達を受けたメジャーリーグ選手会のトニー・クラーク専務理事は日本時間6月20日、声明文を発表し、「メジャーリーグ機構は選手会に対し、我々の最新のオファーへの対案を提示せず、60試合より多くの試合をプレーするつもりはないことを通告してきた。選手会では近いうちに役員会議を招集し、今後の方針について決定する。重要なのは、選手たちができるだけ早くシーズンを開幕することに全力を注いでいるということだ」と述べた。なお、役員会議は日本時間6月21日に開催される予定である。

選手会には現時点で2つの選択肢がある。1つは機構側のオファーを受け入れ、「60試合制」「100%の日割り給与」「ポストシーズン拡大」「異議申し立ての権利を放棄」といった条件の下でシーズンを開幕すること。もう1つは、機構側のオファーを拒否してロブ・マンフレッド・コミッショナーの裁量によってシーズンのスケジュールを決定させること。ただし、後者の場合、選手会がポストシーズン拡大に協力する可能性は低く、異議申し立てを行う可能性も残される。

各球団で新型コロナウイルスの感染者の発生が明らかになっており、シーズンの試合数のみならず、健康管理についての規定も争点の1つとなるだろう。適切なコロナ対策が明示されなければ、プレーを拒否する選手が続出する事態にもなりかねないだけに、マンフレッドを筆頭とする機構側の手腕が問われるところだ。

多くの関係者は、両者の主張の中間点となる65試合前後での妥結を予想していたが、その可能性は消滅した。選手会は60試合制を受け入れるのか、マンフレッドの裁量に任せるのか。今後の動向が注目される。

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