F1ボスが執着するリバースグリッド案に、ドライバーから反対の声

 2020年シーズンのF1では同じサーキットで2週続けて開催される場合、2戦目には予選の代わりにリバースグリッドによるスプリントレースを行うという案があったが、メルセデスらの反対により、実現しなかった。F1上層部は来年以降の導入について引き続き検討すると発言しているが、メルセデスのドライバー、バルテリ・ボッタスは、公平なシステムではないとして反対している。

 同一会場で連続開催を行うと似たような展開の繰り返しになり、予測可能なものになることが予想され、それを避けるため、ランキングの逆順をグリッドに採用して予選レースを行い、その結果で決勝グリッドを決めるという提案がなされた。ほとんどのチームはこの案を支持したものの、メルセデスのチーム代表トト・ウォルフは反対し、全会一致の合意がなされなかったために、今年の実施は不可能となった。

 しかしその後、F1のモータースポーツ担当マネージングディレクターであるロス・ブラウンは、「リバースグリッドのレースについては来年に向けて引き続き検討していく」とコメントした。

 ボッタスは、レース週末のフォーマットを変更することについてはいくらか興味を抱いたと言う。しかし本来上位を獲得するであろうドライバーたちにとっては、不公平な結果になり得るとして、ウォルフの考えに賛成した。

「オーバーテイクがかなり困難なサーキットがある」とボッタスはF1のインスタグラムライブのなかで発言している。

「僕は公平なレースが好きなんだ。一番優れたドライバーに勝ってもらいたい。今までどおりのシステムがやりやすいと思うよ」

 リバースグリッド案については、ルノーのダニエル・リカルドも、賛成しないと語っている。テレビで観戦するファンにとってはわくわくするシステムかもしれないと認めるリカルドだが、競技として適切なシステムではないと考えている。

「変更すべき事柄のなかで、最優先すべきものではない」とリカルドは言う。

「うまく機能しなくなる筋書きがたくさんあるんだ。状況が少しばかり混乱するかもしれない」

「純粋かつ本質的なレースという観点で言えば、まだそこまでやる必要がないと思う」

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