高齢者の買い物送迎サービス開始 自分で選べる楽しさに笑顔

スーパーでの買い物を終え、送迎車で自宅近くに戻ってきた住民たち=五島市小泊町

 五島市の大浜地区まちづくり協議会(高嶋俊光会長)が、地元の高齢者を対象に買い物送迎サービスを始めた。同地区には商店がなく、マイカーなどを持たない人は移動スーパーを利用しているが、不便を感じる住民も少なくなかった。今は2カ月に1回の活動だが、ボランティアスタッフが確保できれば頻度を増やしたい考えだ。
 昨年度、住民から地域の困り事などを聞く座談会を開いたことがきっかけ。「近くに店がない」「交通手段がない」などと、買い物に困っている声が多く上がった。
 こうした声を受け、同協議会保健福祉部会は昨年11月と今年2月、「大浜買い物ツアー」と名付けた送迎サービスを試験的に実施。大浜地区と市中心部のスーパーを往復した。好評だったため本年度から本格化し、小泊町と浜町の65歳以上を対象に、偶数月に1回開催することに。1人600円の参加料で大型タクシーを手配し、同部会員が同行してサポートする。
 今月17日には、本年度初めてのツアーが開催され、住民11人が利用。大型スーパーで約1時間の買い物を楽しんだ。両手の袋いっぱいに食料品を購入した小泊町の女性(73)は「とても助かる。息子に頼むこともあるけど、やっぱり自分で商品を見て選べるのがいい」と笑顔を見せた。
 この日はボランティアスタッフとして、同地区で英語教室などを営むニコラス・サットンさん(37)も協力し、自家用のワンボックスカーで送迎した。ニコラスさんは「大浜は優しく声を掛けてくれる人が多いすてきな場所。自分に出来ることで協力していきたい」と話した。

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