「長かった…」5年ぶり田植え 熊本地震で被災した熊本市の秋津地区 

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家族総出で5年ぶりの田植えをする農家=21日午前、熊本市東区

 熊本地震で用排水施設などが壊れたため、稲作ができなくなっていた熊本市東区の秋津地区で21日、5年ぶりの田植えが始まり、休日を利用して家族総出で作業を急ぐ姿が見られた。

 地区の農地は約190ヘクタール。地震で川から水を引くポンプ施設が壊れ、用水路も約150カ所で漏水。全域が地盤沈下した。夏場に大豆、冬は麦などを生産しながら、施設の復旧や、作業効率化に向けた農地区画の大規模化工事を進め、3月末までに完了した。

 米と大豆、麦、スイカを栽培する上野信昭さん(76)はこの日、妻ノリ子さん(73)や2人の息子らと、前日までに代かきをした約5ヘクタールの農地で田植えを進めた。地震前年の2015年に購入した田植え機の使い方を思い出せず、作業がストップする一幕も。

 「4年間は長かった。農家なのに、米ば買わなんかったしね」と上野さん。ノリ子さんも「秋に、ここで収穫した米を食べたら涙が出るかも」と話しながら、作業に精を出していた。(山口尚久)