京都府は19日、新型コロナウイルスの感染拡大で、3~5月に府内で起きた五つのクラスター(感染者集団)の発生状況をまとめた。感染者と関わった接触者の陽性率がクラスターによって約10倍の差があり、府は専門家に要因などを分析してもらう。
京都産業大(京都市北区)の学生に端を発したクラスターは、井手町での交流会を通じて住民や町職員らにも波及し、接触者は323人に。陽性者は54人に上り、陽性率は最も高い16.7%だった。
続いて高かったのは京都市下京区でコールセンターを営む企業の14.1%。右京区の有料老人ホームが12.7%、上京区の堀川病院が8.6%と続いた。
一方、大阪のライブハウスを経由したクラスターでは、接触者が医療機関や保育園の関係者を中心に550人にまで広がったが、陽性者は8人と比較的少なく、陽性率は1.5%と最も低かった。
府や京都市はクラスターの発生時、国立感染症研究所が示す濃厚接触者の定義より広い範囲を「接触者」と定め、PCR検査や疫学調査を進めてきた。
府健康対策課は「クラスターごとで接触者やPCR検査の範囲が適切だったか専門家に検証してもらい、第2波に向けた備えに生かしたい」としている。