メクル第466号<旬感 V・ファーレン>MF氣田亮真選手(背番号18) これまで以上に貪欲に

「長崎のサポーターを魅了したい」と話す氣田選手

 大学卒業したてのプロ1年目。今季開幕(かいまく)前のキャンプでは、ルーキーながら練習試合10試合でチーム最多の6ゴールを挙げました。「先輩(せんぱい)たちからポジションを奪(うば)うには得点しかない」。その熱き思いを体現(たいげん)しています。
 2月23日の開幕戦はベンチスタート。後半36分、交代で出場を果たしました。プロとして、ホームでデビューできたことはうれしかった。でも「スタメンじゃなかったということは、まだアピールが足りなかったということ」。悔(くや)しさの方が大きかったと言います。
 次こそ-と奮起(ふんき)したものの、新型コロナウイルスの影響(えいきょう)でリーグも練習も、全(すべ)てがストップ。それでも「今やれることがある」と、筋(きん)トレをしたりボールに触(ふ)れたりし、感覚を忘(わす)れないようにしました。
 約1カ月後、晴れて活動再開。「やっとサッカーができる」。喜びに満ちあふれました。試合再開も6月27日に決まり、目標も定まりました。練習試合では毎試合で得点。「今、いつも以上に貪欲(どんよく)になっている」
 幼い頃(ころ)からプロを意識し、高校時代はJ2ジェフユナイテッド千葉のユースチームに所属(しょぞく)。でも、卒業時にトップ昇格(しょうかく)ができず、プロの壁(かべ)にはね返されました。
 悔しさを胸に進んだ大学では2年の時、やっと理想のプレーに近づくことができました。スピード、パワー、そしてゴールに向かう鋭(するど)いドリブル突破(とっぱ)。輝(かがや)く武器(ぶき)を身に付けました。
 大学4年の7月、V長崎に練習参加しました。その直後の大学の公式戦で、それまでの無得点から2試合連続ハットトリックするなど、計3試合で7得点。古巣の千葉からも誘(さそ)われましたが、成長を感じさせてくれたV長崎への加入を決めました。
 ようやく立ったプロの舞台(ぶたい)。ここまで来られたのは、小学生の頃から毎試合応援(おうえん)に来て、ビデオを撮(と)り、編集(へんしゅう)してプレー集を作ってくれた父のおかげでもあります。でも、高卒でプロ入りした選手は、もう5年目。だから「1年目といって甘(あま)えないように。自分に厳(きび)しく」。支(ささ)えてくれた父に、恩返(おんがえ)しするためにも。
 今季のテーマは「魅了(みりょう)する」。プロとして、感動や夢(ゆめ)を与(あた)えたい。プレーで、結果で、長崎のサポーターをとりこにしたい-。今度は自らの手で、未来を切り開いていきます。

◎プロフィル
 1997年8月12日生まれ。千葉県出身。8歳(さい)からサッカーを始める。千葉ユースから専修(せんしゅう)大に進学。ブラジル代表のネイマール選手を意識(いしき)している。ロックバンド「ONE(ワン) OK(オク) ROCK(ロック)」の「キミシダイ列車」が好き。172センチ、62キロ。22歳。


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