「人生を狂わされた」 カトリック性被害者が告白 長崎で集会

©株式会社長崎新聞社

聖職者から性被害を受けた当事者が登壇した集会=長崎市桜町、県勤労福祉会館

 カトリック教会の聖職者による性被害を訴える信徒らが21日、長崎市内で開いた集会で、県内の女性を含む当事者3人が登壇した。「人生を狂わされた」「記憶を封印しないと生きていけなかった」。長年の苦しみを打ち明け、新たな被害者を生まないよう求めた。
 「人生を狂わされた。私は元の生活に戻ることも難しい。神父に対して怒り以外の何ものもない」。県内の信徒の女性は2018年5月、親しかったという神父から性被害を受けた。女性は心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症。薬を手放せない日々が続いている。
 女性は警察に被害届を提出。神父は書類送検されたが今年4月、不起訴処分となった。女性は「神父が平然と生活を行うことは許せない」と感じるとともに、他の神父から「性被害は昔からいくらでもあった」と言われたことにショックを受けたと明かした。教会側に「もっと被害者の気持ちになって考えて」と訴えた。
 宮城県の鈴木ハルミさん(67)は夫の暴力に苦しんでいた24歳の時、相談した神父から性被害を受けた。その後、他者と信頼関係をうまく築けず、酒とギャンブルに依存。4度離婚し、2度自己破産した。「私は『けがれている。死んだ方がいい』と思っていた」「真実を話すには苦しくて、おぞましくて。記憶を封印しないと生きていけなかった」と明かした。医者に「あなたは悪くない」と言われたことが立ち直るきっかけになったと涙を流した。
 東京都の竹中勝美さん(63)は幼少期を児童養護施設で過ごした。勉強ができ職員にかわいがられた竹中さんは、愛情に飢えた他の子どもからいじめを受け、すがるように訪ねた神父から性的虐待を受けた。その後、当時の記憶をなくしていたが、結婚後、子どもを風呂に入れているときに唐突に鮮明な記憶がよみがえったという。「(同じような思いを)子どもたちに二度と味わわせたくない」と言葉を詰まらせた。
 竹中さんは「教会だけに任せていられない。被害者が声を上げねば」と集会を開いた経緯を明かした。
 日本カトリック司教協議会は今年4月、国内での聖職者による未成年者への性的虐待の調査結果を公表。1950年代から2010年代までに計16件の被害を確認している。