J2今週末再開 V長崎 再スタートへ仕上がり上々 過密日程、降格なし、交代カード増… 異例のシーズンへ

2月23日の開幕戦で白星発信したV長崎。コンディションを万全にしてリスタートを待つ=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 サッカーJリーグの新たな日程が発表され、J2のV・ファーレン長崎は6月27日、ホームの北九州戦で再スタートを切る。6カ月で41試合を消化する“超”過密スケジュールを乗り切り、2018年シーズン以来のJ1復帰をつかめるか。総力戦が予想される中、チームは再開に向けてしっかり調子を上げてきている。

■ヤマ場は秋か
 新型コロナウイルスの感染リスクを抑えるため、7月末までは日本を東西2グループに分けて対戦カードが組まれた。V長崎は第2節にホームで北九州戦、第3節にアウェーで福岡戦と「九州ダービー」が続き、無観客が解かれる第4節のホームの愛媛戦から、中3日の連戦が始まる。
 9月の第16~21節は6試合中5試合がアウェー。昨季J1で戦った磐田と松本との試合も含まれており、一つのヤマ場になりそうだ。10月の第26~29節のアウェー4連戦も昇格を争う上で鍵を握る。終盤にホーム戦が続くのは好材料だろう。
 もう一つの大きなポイントが、コロナ禍に伴うルール変更。今季はJ3への降格、3~6位が進むJ1昇格プレーオフがなくなり、上位2チームのみ昇格する。この影響で「引き分けを狙わず、攻撃的に来るチームが多くなる」という声は多い。さらに連戦を踏まえて交代枠は従来の3人から5人へ。コンディショニングや指揮官の采配も例年以上に勝敗を左右する。

■勝って勢いを
 V長崎は4月上旬から活動を休止していたが、あまり感染が広がらなかったことから、他クラブよりも一足早い5月11日にトレーニングを再開。まずは選手を3班に分けたグループ練習から入り、約半月後の26日に全体練習、29日に実戦練習を始めるなど、しっかりと段階を踏んできた。
 今月は試合勘を取り戻すために、近隣クラブとトレーニングマッチを重ねた。4日と7日のJ3熊本戦は、それぞれ5-0、3-0で快勝。非公開の練習試合でも好結果を残している。大幅にメンバーを入れ替えてもチーム力を落とさずに戦えている点は、連戦に向けて自信になりそうだ。
 一方、Jリーグの村井満チェアマンが「ウイルスの第2波、第3波が来るかもしれない」とくぎを刺すように、全試合を消化できずにシーズンを終える不安はある。5月末、テレビ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を通じて取材に応じた手倉森監督が「状態がいいのは間違いなくわれわれ。勝って勢いをつけたい」と話していたように、さまざまな可能性を考慮して、早い段階から勝ち点を量産しておきたい。

新しいリーグ戦日程

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