YOSHIKIも悔やむ 敗血症で亡くなったミュージシャン 新型コロナとの関連性は?

写真はイメ―ジです。

X JAPANのYOSHIKIさん、LUNA SEAの河村隆一さんが追悼コメントを出したカリスマ・ギタリストが、注目されています。

6月19日、「敗血症」がトレンド入りしました。同日朝にギタリスト足立“YOU”祐二さんの訃報がロックバンド・DEAD ENDのオフィシャルサイトで発表されました。この訃報で「敗血症」を初めて知った方も多かったようです。

足立さんに影響を受けたギタリストSUGIZOさん(X JAPAN、LUNA SEA)、足立さんが10代の頃にローディをしていた44MAGNUMのギタリスト広瀬さとしJIMMYさん等、多くのアーティスト、業界関係者、インフルエンサーがSNSで秘蔵写真付きの追悼投稿しています。

そんな中、死因が新型コロナウィルス感染症ではなないことを強調するミュージシャンもいらっしゃいます。

【悲しいです。泣き崩れています。6月16日朝方、DEAD ENDのギタリスト足立YOU祐二が、永眠しました。

誤解のないように伝えます。新型コロナではありません。二度の検査で陰性です。ご冥福をお祈りします。 】

足立さんと40年交友あったボーカリスト西川茂さん(PRESENCE)はツイートなさっています。

それにもかかわらず、

「6/14の3tea3配信ライブで、辛そうにしてたけど、まさか。。。」

「足立“YOU”祐二さん敗血症で亡くなったとは…コロナの可能性あるんじゃなかろうか。最近まで元気だったはず」

「足立祐二さん、敗血症で亡くなられたそうですが、コロナとは関係ないのでしょうか」

といったツイートが散見されます。

敗血症をコロナと混同してしまうのは危険です。内科医・近藤千種先生に敗血症と新型コロナウィルス感染症についてうかがいました。

「敗血症=コロナとは言えませんが、足立さんの死因が敗血症だったとするとその原因はなんらかの感染症だったということが考えられます。

敗血症は臓器障害を伴う重症の感染症であり、何らかの感染症を起こしている原因の菌などが増殖して炎症が全身に広がってしまう状態です。多くの場合、肺炎、腎盂腎炎などの腎臓疾患、胆管炎などの消化器疾患や皮膚に関する感染症と関係することが多いとされています。

検査(おそらくPCR検査)が二回施行されて二回とも陰性だったとすれば敗血症の原因がコロナだった可能性はかなり低い(偽陰性もあるため100%とは言い切れませんが)と思いますが。

ちなみに重症化する新型コロナ感染者の中に、敗血症患者はどれくらいいるかを考察すると、重症のウイルス感染症が全身の臓器にも影響を及ぼす可能性は高く、重症化する患者の多くが敗血症に陥っているのではないかと考えます」

今回、足立さんは、亡くなる2日前までライブ配信をなさったりしていらしたようですが、急速に悪化する病気なのでしょうか。

「敗血症の治療が遅れると全身の循環や細胞内の代謝に異常を来たしショック状態に至ることがあります。このショック状態とは血圧がうまく維持できず、多臓器障害をきたす状態で、多臓器不全になると数時間で死亡してしまう可能性が高くなります」

では、敗血症を予防するには、私達はどのような点に気をつけたら良いのでしょうか。

「敗血症を予防するためにはまず敗血症につながる感染症にかからないことです。今推奨されているコロナ感染対策のように手洗いをこまめにする、ワクチン接種を受けるなど、感染症にかかるリスクを下げることが重要です。

敗血症自体はさまざまな症状を伴いますが、初期の症状として悪寒・戦慄、発熱、発汗、脈が早くなるなどの症状が見られることが多く、敗血症性ショックの状態になると意識障害がおこったり、尿がでなくなったりします。

なんらかの感染症にかかった自覚があり、呼吸数や心拍数の増加、意識障害を伴うような状態に陥ったら、すぐに受診されることをおすすめします」

足立“YOU”祐二さんのご冥福をお祈りします。(文◎霜月潤一朗)

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