NASCAR:ババ・ウォレスのためにシリーズが団結「我々のスポーツは真の変化を推進する」

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 6月21日、アラバマ州タラテガのタラテガ・スーパースピードウェイで行われていたガイコ500のレースウイーク中、ガレージに何者かがカップシリーズ唯一の黒人ドライバーであるダレル・ウォレスJr.(ババ・ウォレス)のガレージに、人種差別を助長する輪縄が置かれた事件に対し、6月22日に行われたガイコ500のレース前、NASCAR全体が団結してウォレスへの支持を表明した。

 この一件は、21日の午後、リチャード・ペティ・モータースポーツから参戦するウォレス車のガレージに、人種差別行為である輪縄が置かれていたというもの。NASCARは即座に「この行動に強い怒りと憤りを覚えており、今回の事態をどれだけ真剣に受け止めているかを的確に表す言葉がみつからない」と強く非難する声明を発表した。

 さらに「我々はただちに調査を開始している。事件の犯人を特定し、この件に関わった者をNASCARから排除するまで、可能なことはすべて実行する。以前に発表したとおり、NASCARが人種差別を受け入れることは決してない。今回の件により、我々はあらゆる人々を受け入れるスポーツであるとの認識をより一層強くした」とした。

 レースは雨のため6月22日に延期されていたが、NASCARは決勝レース前にウォレスをサポートするべく、ピットレーンを行進した。他ドライバーたちが押すウォレスのマシンを先頭に、ドライバーたち、そして全チームのクルーがこれに続いた。

 コクピットでステアリングを握ったウォレスは、サングラスとマスクをした姿だったが、マシンを下りると頭をルーフの上に乗せ、涙をみせた。この姿に、新型コロナウイルスの影響でこれまでサーキットに姿をみせていなかったが、ウォレスのために駆けつけたチームオーナーのリチャード・ペティ、そしてウォレスの友人のライアン・ブレイニーをはじめ、多くのドライバーが次々とウォレスを慰め、全員が国歌が流れる間、ともに立ち上がった。

「ドライバーたちはババへの支持を表明したいと強く感じている。彼はNASCARコミュニティのメンバーであり、ファミリーだ。過去2週間の間に、ドライバーから、そして業界全体、ファンからのサポートに圧倒された」と語るのは、NASCARのスティーブ・フェルプスプレジデント。

 またウォレスは「過去数週間に渡って、NASCARの業界人たち、チームメンバーからのサポートに驚かされた」と語った。

「我々のスポーツは、一緒に真の変化を推進し、すべての人々を受け入れ、歓迎するコミュニティを守っていくことを約束したんだ。これ以上重要なことはないよ。我々は憎しみを広めようとする人々の悪意ある行動に抑止されない」

「今日、母親からは『あなたを怖がらせようとしているだけよ』と言われたんだ。でもこんなことで僕は負けないし、下りることもしない」

「僕はこれからも、僕が信じていることを誇りに思い立ち続ける」

ババ・ウォレスのマシンとドライバーたち
マシンにもたれかかり涙をみせるババ・ウォレスとドライバーたち、リチャード・ペティ