前原元外相の動向に野党各党注目 維新と超党派勉強会設置 「再編」に警戒感も

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地方分権を推進する超党派の勉強会であいさつする前原氏(16日、衆院議員会館)

 国民民主党の前原誠司元外相(衆院京都2区)の動向に野党各党の注目が集まっている。党の役職を外れ、長らく表だった動きはなかったが、16日に日本維新の会幹部らと「地方主権」をテーマにした超党派の勉強会を立ち上げ、存在感を見せた。一方、民進党代表だった前回衆院選で旧民主党勢力の分裂を招いたとする禍根は消えず、維新への抵抗感が根強い支援組織の連合との関係もあり、議員の間では警戒感も広がる。

 「反対されたり、躊(ちゅう)躇(ちょ)されたりというのがあった中で50人近い方々が勉強会に参加する。(当初想定した)『小さく産んで大きく育てる』というよりは、かなり多くの方が来て下さった」。衆院議員会館で開いた「新しい国のかたち(分権2.0)協議会」の初会合を終え、代表世話人の前原氏は表情を和らげた。

 全議員が入会した維新を除く半数近い参加者には、国民民主や自身のグループ「凌(りょう)雲(うん)会」の6人に加え、立憲民主党や昨年の参院選で初当選した野党統一候補の議員、京都5区から次期衆院選に立候補を予定する希望の党の井上一徳議員も名を連ねた。

 維新は、世論調査で支持率が上昇傾向にある。立民と国民が合流を協議する中、維新の馬場伸幸幹事長らと立ち上げた勉強会に対し、会見で「野党再編のトリガー(引き金)になるのでは、と見る向きもあるが」と質問が出た。前原氏は再編ありきとの見方に不快感を示し「中央集権から地方分権に変えていくことが日本の閉塞感を変え、活力をもたせる」と述べた。

 ただ永田町では「純粋な勉強会」(前原氏)と受け止める人が少ない。2017年の衆院選で民進党代表の前原氏が小池百合子東京都知事率いる希望の党との合流を決断し、旧民主党勢力が分断されたいきさつが背景にあるからだ。

 実際、勉強会参加を呼び掛ける文書を議員に配布しただけで、党の倫理委員会は「党の結束を乱し同僚議員の疑心暗鬼を招く行為を慎むべき」などとする異例の意見書を総務会に提出。前原氏らへの事情聴取を求めた。前回衆院選で無所属を選んだ国民の中堅議員は「前原さんは民進党をぐちゃぐちゃにして今回また同じようなケース。何をしているんだ」と不信を抱く。

 一方、維新は勉強会の設立趣意書に「大阪都構想」の文言を入れることにこだわった。だが都構想に関して立民、国民の支援組織である連合は容認せず「身を切る改革」を進める維新自体への拒否反応もある。党内の締め付けや地元の連合の反対に遭い、勉強会の参加を見送った議員もいる。

 野党勢力の結集を望む前原氏にとって、新型コロナで重要性が浮き彫りになった地方主権は自公政権への対抗軸になるとの考えだ。立民の枝野幸男代表の政権構想とも、所得の再分配など共通項はある。維新との「橋渡し」を口にする前原氏は「日本にとってどういう選択が必要か。政治家というのは、自分たちの考え方を支持者に説明するのも大事だし、理解をいただくのがもっと大事」と信念を語る。