文字通りの衝撃デビューだ。23日の対中日戦で来日初スタメンの横浜DeNA・オースティンが4打数4安打に初打点。「かなり強力な打線。相手に恐怖を与える」と試合前にラミレス監督は予言していた。たった一人加わっただけで、迫力と厚みは段違いだ。
開幕前の実戦で放った本塁打は場外弾2発を含む8本。この日披露したのは規格外のパワーではなかった。五回1死一、二塁。2球で追い込まれた後、緩い変化球で誘われてもバットは動かない。そして5球目、浮いた直球を左前にはじき返し、先制点を呼び込んだ。
「チャンスの場面で打ててうれしいよ」。他の3打席でも広角に球を打ち分けて高い「技」を見せた。「練習試合と相手の攻め方も変わった。簡単ではない球をしっかり打った」と指揮官は目を細めた。
来日1年目でコロナ禍に見舞われた。自主練習が始まった当初は体重が数キロ増えたが、自宅でも妻とトレーニングを欠かさず体を絞った。魚介類を食べられない分、牛肉や枝豆を調理してパワーも維持してきた。
強力助っ人に乗せられるように、やや調子を落としていたロペスがタイムリー、宮崎も2号ソロと続いた。自慢の超強力打線は覚醒しつつある。
「いつもチームの勝利に貢献しようと思っているよ」。その言葉は出塁後の激走からも伝わってくる。見た目もクールガイな背番号23は、どんな物語を描いてくれるのか楽しみでならない。