茨城県議会、東海第2再稼働問う県民投票条例案を否決 議論必要性指摘も

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県民投票条例案を賛成少数で否決した県議会本会議=同本会議場

茨城県議会は第2回定例会最終日の23日、本会議を開き、日本原子力発電東海第2原発(東海村)の再稼働の賛否を問う県民投票条例案を賛成少数で否決した。挙手で採決し、議長を除く出席議員58人のうち、最大会派いばらき自民の議員ら53人が反対した。18日の防災環境産業委員会に続く大差での否決となり、今回の県民投票は実現に至らなかった。採決に先立つ討論などでは、県議会での再稼働を巡る活発な議論の必要性を指摘する声が、賛否の立場を超えて上がった。

同条例案は、市民団体「いばらき原発県民投票の会」の直接請求を受け、大井川和彦知事が本定例会に提出。同会は請求に必要な有効署名数の1.78倍に及ぶ8万6703筆を集めた。

否決を受け、同会共同代表の徳田太郎さんは「結果が全て。多くの方のご期待に沿えなかった」と重い口調で話した。共同代表の姜(かん)咲知子さんは、今後について「議員の皆さんが再稼働や県民の声を聞くことに対し、真剣に向き合ってくれると、少しは希望を持っている」と前を向いた。

本会議での採決は、議席の7割を占めるいばらき自民と県民フォーラム、公明の3会派計50人と無所属3人が反対。賛成は共産、立憲民主の計3人と無所属2人の5人にとどまった。

討論で、いばらき自民の飯塚秋男政調会長は安全性検証、避難計画策定、県民への情報提供の3条件を示し「(条件が整う前に)県民の意見を聞く方法だけ先んじて決めるのは妥当でない」と反対意見を述べた。

県民フォーラムの斎藤英彰代表は反対意見とともに、再稼働問題を巡り「議会で議論を尽くすこと。議論の経過を県民に情報提供し、県民側に意見交換の場などを提供することが求められている」と指摘した。

一方、立憲民主の玉造順一氏は賛成の立場から県民の意思を図る県民投票について「住民から選ばれた議会が否定できない」と述べた。無所属の中村勇太氏も賛成意見とともに「議会内で勉強会や検討会を超党派で行っていくべき」と訴えた。

■住民投票を排除せず 知事「選択肢の一つ」

県民投票条例案の否決を受け、大井川和彦知事は閉会後に報道陣の取材に応じ、「今回の否決が住民投票という選択肢を全て消すことにはならない。選択肢の一つだと思っている」と述べ、意見聴取のための多様な手法の中で、今後も選択肢として住民投票を排除しない姿勢を示した。

市民団体からの直接請求後、県議会で議論が重ねられてきた経緯を振り返り、「少なくとも最大会派の自民党の否決の理由は、住民投票が全て悪というわけではなく、問題点がいくつかあるということ」と指摘。「結論として否決になったが、今回の議論は今後、東海第2原発をどう考えるかについて、いろいろ示唆に富む点があった。しっかり今回の議論を分析して今後の施策につなげたい」と語った。

今回の条例案の賛否については、これまで通り示さなかった。