JR渋谷駅改良工事で導入された「エアロシールド」とは 浮遊菌9割減

エアロシールドの照射イメージ

2020(令和2)年5月末、JR渋谷駅で埼京線下り線路の切替工事が行われ、埼京線ホームと山手線ホームの並列化が果たされた。

その切換工事と関連し、5月よりJR東日本東京工事事務所及び東京電気システム開発工事事務所の執務室ならびに監督する5箇所の現場事務所へある製品が導入されている。エネフォレスト株式会社の紫外線照射装置「エアロシールド」だ。

エアロシールドは紫外線の中でも最も効果が高いとされている「UV-C」を室内上部に照射し、屋内でおこる空気の自然対流を利用して空気中の浮遊菌を減少させ、24時間365日空気環境対策を行うもの。紫外線殺菌照射(UVGI)はCDC(米国疾病対策センター)発行の「医療機関における結核菌の伝播予防のためのガイドライン」でも空気感染対策に有効な空気清浄法として推奨されている。

JR東日本グループは2018年度に開催された「JR東日本スタートアッププログラム」において、エネフォレストを採択。2018年12月から2019年2月にかけて、JR大宮駅のベビー休憩室・待合室、JR南越谷駅のみどりの窓口・出札において同装置を設置、実証実験を行っていた。浮遊菌検査の結果、JR大宮駅では90.48%、JR南越谷駅では90.41%の浮遊菌が装置の稼働により減少した(※)という。

南越谷駅改札での実証実験の様子

※「エアロシールド」を稼働させる前後での浮遊菌の減少率は、エアーサンプラーを導入施設で使用し、浮遊菌を捕集・培養、コロニーカウント方式で算出。

鉄道チャンネル編集部
画像:JR東日本スタートアップ

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