感染すれば重症化も 障害児の学び、どう確保 苦心の特別支援学校 

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くまもと芦北療育医療センターを訪れ、授業に臨む芦北支援学校の教員ら=15日、芦北町(同校提供)

 新型コロナウイルス対策として休校していた学校が再開される中、熊本県内の特別支援学校は難しい対応を迫られている。障害の重い子どもは感染すると重症化しやすいため、一部は登校の見合わせを継続。学習機会の確保が大きな課題だ。

 「今日の天気は何ですか」。16日、苓北町の苓北支援学校。男性教員が、パソコンに映った高等部の男子生徒に笑顔で語り掛けた。ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を使ったオンライン授業だ。

 男子生徒は、近くの重症心身障害児(者)施設「はまゆう療育園」から参加。ほかの教員が校外で撮影する浜辺や公園の映像も映し出された。別の女子生徒の授業では、保護者も画面に登場して“授業参観”。女子生徒の表情が和らいだ。

 苓北支援学校には、脳性まひなど重い障害のある児童生徒19人が在籍。このうち16人が同園に入所し、3人は自宅で療養する。全員介助が求められ、たんの吸引など医療的ケアが必要な子もいる。

 本来は子どもが登校したり、教員が同園や自宅を訪ねたりして授業するが、このコロナ禍で5月にオンライン授業を導入した。授業は原則1日に2人、30分ずつ。自宅訪問は時間を半分に短縮した。

 「早く本来の授業を始めたいが、命を守ることが最優先」と高野寛美校長(53)。当面はオンライン授業を続けながら、同園と相談して登校などの再開時期を探るという。

 授業を再開した学校も感染防止に細心の注意を払っている。

 芦北町の芦北支援学校は、児童生徒12人を対象にする「くまもと芦北療育医療センター」への訪問教育を8日に再開した。授業時間を大幅短縮。教員は授業前にマスクを交換し、ガウンを着用する。ちぎり絵制作など密接する介助が必要な活動は避けており、畠村利栄子教諭(46)は「子どもが喜ぶような授業ができない難しさがある」と語る。

 県立の特別支援学校18校のうち、全面再開できたのは15校。苓北支援や芦北支援など残る3校は、一部再開にとどまっている。

 医療的ケアが必要な子どもの保護者らでつくる「虹色の会」(熊本市東区)によると、重症化の恐れから登校を自粛する児童生徒や不安を抱える保護者も少なくないという。

 県教委特別支援教育課は「子どもたちが人と関わり、刺激を受けるためにも授業の確保は重要」と強調。「感染防止とのバランスを取りつつ、できる限り工夫していきたい」と話す。(臼杵大介)