【MLB】1日おきにPCR検査、延長は無死二塁で開始、ヒマワリの種禁止など…今季の特別ルール

ヤンキースの本拠地・ヤンキースタジアム【写真:Getty Images】

MLB公式サイトが「2020年シーズンについてファンが知っておくべきこと」で詳報

米メジャーリーグは新型コロナウイルスの感染拡大で延期となっていた2020年シーズンの開幕を7月23日もしくは7月24日(日本時間24日もしくは25日)とすることを発表した。MLB機構が強行開催に踏み切り、ここまで開幕案に難色を示していた選手会側も同意。これにより開幕が正式に決まった。

今季はMLB機構側が提示していた通りの60試合制で実施されることに。60試合は同リーグ同地区のチームと10試合ずつ計40試合、他リーグ同地区のチーム(ア・リーグ東地区球団ならナ・リーグ東地区の球団)と計20試合を戦う。キャンプは7月1日までに選手が集合することになっている。

MLB公式サイトでは「2020年シーズンについてファンが知っておくべきこと」とし、この60試合制で行われる今季のルールや特徴などを詳細に報じている。

○ポストシーズン
各リーグの地区優勝3チーム、ワイルドカード2チームの計5チームがポストシーズンに進出。一発勝負のワイルドカードゲーム、3勝先取の地区シリーズ、4勝先取のリーグ優勝決定シリーズ、4勝先取のワールドシリーズが行われる。

○指名打者制
通常は投手が打席に立つナ・リーグも今季は指名打者制を導入。投手にかかる負担を軽減するため。2021年シーズンについては未定。

細かな新型コロナ対策が設定、新型コロナウイルス専用感染者専用の故障者リストも

○トレード期限
従来は7月31日が期限となるトレードは8月31日に変更に。ポストシーズンの出場資格を得るためには9月15日までにロースターに登録されていなければならない。

○ロースター
シーズン開幕時のロースターは30人に拡大され、2週間後に28人、さらに2週間後には26人と段階的に縮小される。各球団は40人ロースターに、20人の「予備選手」を加えた60人のリストを提出。今季プレーできるのはこの60人に限定される。故障者リスト(IL)は野手、投手に関わらず10日間に統一され、60日間ILは45日間に短縮される。

○延長特別ルール
長時間の延長戦を避けるために延長は無死二塁でイニングをスタートする。この走者が生還しても投手の自責点にはならない。レギュラーシーズンのみ採用され、ポストシーズンは対象外。

○その他のルール
従来は延長戦と6点差以上に限定される野手の登板だが、今季はその制限が無くなる。スリーバッターミニマム(ワンポイント登板禁止)は予定通りに導入。試合成立前に悪天候で中止となった場合は、サスペンデッド・ゲームとして別日に続きとして行われる。

○コロナウイルス対策
・キャンプ、レギュラーシーズン、ポストシーズンの期間中、選手、コーチ、スタッフは1日おきに新型コロナウイルスのPCR検査を受け、1か月に1回は抗体検査が行われる。

・フィールド内外でソーシャルディスタンスを取ることが求められ、試合に出場していない選手やその他のスタッフは6フィート(約1.8メートル)以上の距離をとる。プレーしていない選手やコーチ、スタッフは常にマスクの着用が義務付けられる。

・ハイタッチやグータッチ、ハグなどの祝福は禁止。唾吐き、タバコやヒマワリの種を噛んだり食べることも禁止される。ガムのみ許可される。

・複数の選手が触れたボールはすぐに交換される。

・乱闘は厳しく禁止

・新型コロナウイルス感染者専用の故障者リストが設けられる。陽性反応を示した選手や感染が疑われる選手はこのリストに登録され、2度陰性になるまで復帰できない。

・本拠地で感染が拡大した場合、MLB機構は健康と判然を考慮してレギュラーシーズンとポストシーズンの開催地を変更し、中立地で開催する権利を持つ。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2