ヘルシーでおいしい!朝食には和食がオススメな5つの理由

日本の朝食ーー五感すべてで楽しむ食事

旅の楽しみのひとつは、普段食べているものとは違った味や食感をもつ、その土地ならではの食事を楽しむことです。

特にオススメなのが、日本食。和食 (伝統的な日本料理)は、2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されましたが、それには理由があります。材料の選び方、準備の仕方、組み合わせ方などが何世代にもわたって受け継がれ、独自の世界観が確立されているのです。

日本で宿泊する宿に朝食が付いているなら、そこで和食を味わうことができます。朝食を和食にするか、普段通りのパンにバター、シリアルとヨーグルトにするか迷っているなら、ぜひ和食にチャレンジしてみましょう。

朝食で和食を選びたい5つの理由

日本のホテルで朝食をとるとき、通常は和食か洋食、好きな方を選べます。ビジネスホテルでは、ビュッフェスタイルで、どちらも食べられることが多いです。ごはん、卵焼きに味噌汁を食べた後に、ヨーグルトとシリアルを食べてもOK。

一方、伝統的な旅館に宿泊すれば、朝食は和食となります。贅沢でおいしく、貴重な経験です!

洋食か和食かを選ぶ場合は、ぜひ和食をオススメしますが、それには次のような理由があります。

1.満足感があり、バランスがよく、健康的

一般的な日本の朝食の献立は、ごはん、味噌汁、副菜、漬け物です。 基本の組み合わせは一汁三菜。これは1回の食事に、味噌汁に、ごはん、副菜3品がついているという意味です。副菜は、魚、肉、卵、野菜を使って、好みの方法で調理します。

日本の朝食がヘルシーなのは、さまざまなメニューがバランスよく組み合わさっているからです。人間の体に必要な栄養素を摂取することができます。

その栄養素とは、炭水化物、タンパク質、ミネラル、ビタミン、食物繊維。バランスのよい食事で、午後まで活動できるエネルギーを、適切に摂取できるのです。

2. 朝食では基本的な和食メニューを味わえる

昔ながらの朝食には、和食の代表的な料理が含まれています。

ごはん

ふっくらと炊き上がった日本のごはん は、日本に来た人にはぜひ試してほしいものです。海外から来た人の多くは、日本のお米が自分たちの国で食べていたものと違うことに驚きます。お米の食感と味は、そのお米の栽培された場所と方法によって決まります。

茶色い玄米や、穀物の入った五穀米なども、お米のバリエーションとして最近人気が高まっています。

味噌汁

味噌汁は、大豆を発酵させた味噌を使って作ります。出汁は、昆布や煮干しからとることが多いです。具材は、豆腐、油揚げ、わかめ、キャベツ、ネギ、貝類などいろいろで、毎日変えることもできます。

味噌汁は、和食に欠かせないものです。食堂などで出される定食などに、味噌汁が必ず付くのはそのためです。

国土を海に囲まれた日本。近海で獲れる魚介類が毎日の食卓を彩ります。和食では、魚の風味を引き立てる方法で魚を調理します。

朝食のイチオシは香ばしい焼き鮭。あっさりしていながら栄養もあり、美しい色合いが目を引きます。

焼いたアジ、サバ、サンマも和朝食でよく出されます。

漬け物

漬け物は、和食に欠かせない一品。口の中がさっぱりします。塩と酢を使って漬けるもの、塩水と酒粕で漬けるもの、そして、米ぬかで漬けるものなどがあります。

朝食に添えられる漬物のひとつに梅干しがあります。梅の種類や漬け方によって味は異なりますが、どれも梅の香りが豊かで酸っぱく、朝に食べるとシャキッと目が覚めるようです。

このほか、よく漬物にされる具材に、キュウリ、ダイコン、ニンジン、ショウガなどがあります。黄色く着色したダイコンの漬物・たくあんも人気です。漬物は、少量がお皿に見栄えよく盛り付けられて出てきます。

人気の副菜

メインのおかずが魚の場合、副菜もう1品と、サラダか野菜のおかずが付いてくることがほとんどです。

卵焼きは人気の副菜のひとつ。おいしくて色も鮮やかです。

繊維豊富で栄養たっぷりの納豆も朝食の定番。シンプルな見た目ですが、カラシと醤油とネギをかけてごはんに乗せて食べると、驚くほど美味です! おいしく食べるコツは、よく混ぜて粘り気を出すこと。

3. 日本の朝食は、見た目も美しい!

和食はおいしさだけでなく、見た目の美しさも特徴です。一品一品、料理を引き立てる器に盛り付けられています。

自宅で朝食を用意するときは、「白、緑、黄、赤の基本色をそろえると食欲をそそる見た目になる」とよく言われていますね。

日本の家庭を訪ねてみると、焼いたサバの隣にニンジンの漬け物が添えられているのを見かけるかもしれません。これは食事に赤色を添えるための工夫です。

4. 作ってみると簡単!

ごはん、味噌汁、副菜3品の朝食と聞くと、用意をするのに1時間はかかりそうに思えますが、実際には15分ほどしかかかりません。

ごはんは前の日の夜に研いで、炊飯器のタイマー機能で予約をします。翌朝には炊き立てのごはんができあがるため、それをお茶碗によそうだけです。

味噌汁は、あらかじめ出汁を作って冷蔵庫に入れておくと手軽に作れます。出汁を火にかけ、お好みの具を煮込み、味噌を加えれば完成。5分もあればできます。

鮭は、切り身に塩をしたものがスーパーで手に入ります。両面を焼くのに5分ほど。納豆はパックになったものが売られています。食べる直前にお皿に移して、よくかき混ぜましょう。

専用のフライパン(卵焼き器)を使えば、簡単に綺麗に卵焼きを焼き上げることができます。

おいしい漬け物もスーパーで売られています。長持ちするので買い置きが可能。自分で作ることもできますが、まずは和食作りに慣れてからにしましょう。漬物作りができるようになるまで、少なくとも1~2年はかかるかもしれませんね。

野菜類は、シンプルにサラダにするか、 出汁でゆでます。日本の家庭では週末に野菜をまとめて煮ておき、平日に少しずつ食べることがあります。

5. 日本文化を経験する絶好のチャンス!

文化は、自然環境と人との相互作用で生まれます。日本の風土にあわせて、日本人は素材の風味や栄養を生かす調理法を生み出しました。このため和食では魚、米、野菜など素材本来の風味を味わうことができます。

日本には、旬の食べものを食べるという文化があります。和食の料理人は献立に旬の魚介類を取り入れてくれるはずです。春なら、ごはんや味噌汁にタケノコが入っているでしょう。秋には料理にクリやキノコが使われています。

四季のある日本で「今」しか食べられないものを楽しむ、という考えは日本人の心に深く根ざしています。

食べものそのものだけでなく、和食では飾り切りや器でも四季を表現します。春はごはんや汁物の中に、サクラの花の形に切った具材が入ってることも。夏は、青い食器が使われ涼しげな印象。秋は、紅葉や落ち葉の形の器や、紅葉の模様が入った器が用いられることがあります。

和朝食のメニューはシンプルですが、和食の世界観と美意識が詰まっています。一品一品、そしてメニュー全体をじっくり観察して、五感で味わってみましょう。

日本の朝食が味わえる場所

旅館に宿泊すると、伝統的な素晴らしい日本の朝食がいただけます。旅館ではおいしい食事もおもてなしの一環なのです。和朝食だけを食べたいときは、東京都内のレストランなどで提供している場合があります。

日本の朝食を楽しもう

日本の朝食を味わうのは、人生を変えるような体験になるかもしれません。自分で作ってみたくなる人もいるでしょう。興味をもった方は、日本で料理体験教室に参加してみては? 料理道具店に立ち寄り、便利で使いやすい道具を買ってみるのもいいですね。

和朝食のコツは、素材の味を最大限に生かすために、調理し過ぎないこと。そして、季節感を取り入れることです。楽しんで料理してみてくださいね!

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