中国のAI市場、コロナ対策で実績が評価、30%の高成長。生活のAI化さらに加速

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 中国はAIの先進国だ。チャイナスピードと呼ばれるように中国では新しいことへの対応が速い。失敗覚悟でまずはチャレンジするという気質が有り、多くは失敗に終わるのだが淘汰の過程で様々なノウハウが蓄積される。2017年からAIを利用した無人店舗ブームが起こったが翌年には倒産が相次ぎ既にこれは下火となって生活への広がりには至らなかった。

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大とともに人と人の接触が忌避され、ロックダウンや隔離病棟の中で無人店舗・自律型ロボットが活躍することとなった。今では早期からウイルス拡散の勢いを抑えてきた無人化技術が再評価され、中国ではAI技術の社会的な利用が再加速しているようだ。

 17日、矢野経済研究所が中国におけるAI市場やその技術の動向、政府の政策、企業動向、将来展望等を調査・分析したレポートを公表している。レポートによると、19年の中国AI市場は売上高ベースで前年比145.5%の8000億円と推計され、20年には1兆円を超えると予測されている。

 中国では機械学習や画像認識、音声認識などのAI技術を活用したシステムの市場が17年、18年には前年比150%を越える急成長となった。しかし、18年以降は米国の対中国制裁政策の長期化等の影響もあり成長率は鈍化傾向に転じている。とはいえ19年の対前年比は145.5%と高い伸びを示しており、20年以降も130%程度の高成長が予想されている。

 中国では、新型コロナウイルス感染症対策としてAIやビッグデータ分析技術を活用した非接触型システムを多用した対策を実施し、現地の市民は生活の安心・安全を確立し感染を抑えたとして、これを高く評価しているようだ。

 今後は新型コロナ感染症のパンデミックによる世界経済の停滞や米中対立の激化が予想される。しかし、市民からの高い評価や政府による強力なAI促進政策、企業の旺盛な投資動向により、今後の中国AI市場は内需中心で成長していくものと見込まれる。こうした背景からレポートでは23年の中国AI市場は2兆2300億円までに拡大すると予測している。

 中国での新型コロナ対策におけるAIやビッグデータ分析技術の活用実績が「実社会でのビッグデータに基づくAI活用と、それによるライフスタイルの変化を加速させることに繋がると考える」とレポートは指摘している。中国は新型コロナを契機にいち早く未来社会に向かってチャイナスピードで加速し始めたようだ。(編集担当:久保田雄城)

矢野経済研究所が中国におけるAI市場を調査。中国では新型コロナ対策としてあらゆる面でAIやビッグデータ分析技術を活用