身のこなし、声出し…楽しい♪ 狂言ワークショップ開講

野村さん(左)の指導を受ける子どもたち=島原市、森岳公民館

 城下町島原で藩政時代から親しまれてきた狂言の魅力を次世代に伝えるワークショップ「肥前島原子ども狂言」が24日夜、長崎県島原市城内1丁目の森岳公民館で開講した。和泉流狂言師の野村万禄さん(54)=福岡市=らを講師に、計10回程度の講座を開いていく。
 江戸時代、島原城内には能楽堂が設けられ、藩主が荘重な能と滑稽な狂言を領民と楽しんだ歴史がある。狂言を子どもたちが体験することで伝統芸能への理解を深めてもらおうと、ワークショップは同市などが2004年から毎年開き17回目。例年だと秋に天守閣前で開かれる「島原城薪能」で披露するが、今年は新型コロナウイルス問題に伴い延期。このため、来年3月に発表の舞台を設ける予定という。
 今年は幼稚園の年少から高校2年生まで島原半島3市の29人が受講。初日は野村さんが、正座やあいさつの身のこなし方、小謡(こうたい)「鶴亀の舞」「柳の下」などを指導した。初心者には扇の持ち方などを丁寧にアドバイス。初参加の島原市立第一小1年、篠原翼さん(6)は「声が出せた。楽しかった」と笑顔。3歳から毎年受講している県立島原高2年の宇土彩音さん(16)は、名作「附子(ぶす)」の主人に配役され「難しい演目だが、発表の場では感情を込めてやりきりたい」と話した。

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