佐世保大雨 3時間181ミリ 観測史上最大 五島「50年に1度」

大雨の影響で敷地とのり面の一部が崩れた佐世保川流域=25日午後1時50分、佐世保市春日町

 梅雨前線に暖かく湿った空気が流れ込み、長崎県内は25日、激しい雨に見舞われた。佐世保市では観測史上最大となる3時間181.5ミリの雨を記録。気象庁は五島市と新上五島町で「50年に1度の記録的な大雨になっている」とし、県内4カ所に「記録的短時間大雨情報」を発表。県内では計約25万人に避難指示・勧告が出され、新型コロナウイルスの流行後、初めて避難所が設置された。
 長崎地方気象台によると、レーダー解析などから佐世保市付近で1時間約120ミリ、五島市、西海市、東彼波佐見町付近で1時間約110ミリの猛烈な雨が降ったとみられると発表。午後7時までの24時間雨量は佐世保で284.0ミリ、五島市上大津で198.0ミリを観測し、いずれも6月の観測史上最大となった。
 佐世保市の相浦川と早岐川では一時、氾濫危険水位を上回った。土砂災害も各地で相次ぎ、同市日宇町の市道では午前6時ごろに土砂崩れが発生。市が同7時ごろから全面通行止めを実施した。市によると復旧のめどは立っていない。五島市や新上五島町でも土砂崩れがあった。県災害警戒本部によると、佐世保市では床上浸水1棟、床下浸水10棟の被害が確認された。
 同本部によると、25日午後7時現在、佐世保市東部、中部、北部3地区計9万4592世帯21万8938人に避難指示、避難勧告は▽五島市椛島地区82世帯117人▽西海市西海、大島、崎戸3地区計6574世帯1万3359人▽波佐見町全域5236世帯1万4561人▽新上五島町中山、岩瀬浦、福見、高井旅4地区計340世帯507人。人的被害は確認されていない。
 JR九州は佐世保線と大村線の一部区間で一時運転を見合わせ、約5千人に影響が及んだ。西九州道の佐々インターチェンジ(IC)-相浦中里ICは一時全面通行止めとなった。県教委によると、佐世保南高など7県立高が休校。大村高など10県立高が始業時間を遅らせるなどの対策を取った。佐世保市内では3公立小、4公立中が休校となった。


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