コロナ禍克服へ新規事業挑戦 倉敷の2事業者、取引先支援も

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ドライフルーツを作る就労継続支援事業所の利用者たち

 新型コロナウイルスによる経営の危機を乗り越えようと、倉敷市の2事業者が取引先を支援しながら新規事業に挑戦している。障害者の自立支援組織は来客減に苦しむ農園から果物を買い取り、ドライフルーツに加工して販売。備中地域の地酒を提供する居酒屋は、仕入れ先の酒造会社の販路開拓も兼ねて酒の小売り免許を取得し、テークアウト販売に乗り出した。

 ■障害者支援組合RCPードライフルーツ加工へ

 

 障害者の自立支援に取り組む共同組合「レインボー・カフェ・プロジェクト(RCP)」(倉敷市白楽町)は、県内の観光農園と尾道市の農家からシャインマスカットやイチゴ、レモンなどを購入し、就労継続支援事業所に委託してドライフルーツを作る。8月以降のインターネットでの販売を目指している。

 RCPは、市内にある七つの就労継続支援事業所の利用者に菓子などを作ってもらい、土産物店に卸したり市美観地区の直営カフェで販売したりしている。しかし、コロナ禍による観光客の減少などで5月の売り上げは通常の1割以下に激減。仕入れ先も販売量が減り「このままではお互いに立ち行かなくなる」として、3密(密閉、密集、密接)を避けられるネット通販への挑戦を決めた。

 29日までCFサイト「キャンプファイヤー」でシステム整備費などの資金を募っている。寄付は1口3万円からで、返礼にはドライフルーツなどを贈る。

 山田弓美代表理事は「瀬戸内産のおいしい果物を生かし、危機を乗り切りたい。活動継続に力を貸してほしい」と協力を呼び掛けている。

 ■居酒屋「粋酔日」ーテークアウトで地酒販売

 備中地域の地酒を専門に扱う居酒屋「粋酔日(すいようび)」(倉敷市中央)は、酒造会社から仕入れた約30銘柄のテークアウト販売を始めた。店の売り上げ増を図りつつ、出荷量が減っている仕入れ先の17事業者の収入増につなげる。

 オーナーの中原和雄さん(52)は4月、半年間限定で酒を持ち帰り用に販売できる「期限付酒類小売業免許」を取得。専用の300ミリリットル入りの小瓶を用意し、仕入れた酒を詰めて販売している。来店時と同じ感覚で手軽に味わってもらおうと、価格も1本550~950円に抑えた。

 同店は緊急事態宣言の発令中も営業を続けていたが「来客は1日2人程度」。そこで5月からテークアウトを始めると、常連客らが顔を見せてくれるようになったという。

 中原さんは「あまり流通していない専門店ならではの銘柄も扱っている。地酒の魅力を再発見してほしい」と話す。営業は午後5時~11時。月曜定休。テークアウト販売は10月まで。問い合わせは粋酔日(086―434―3142)。

持ち帰りできるよう小瓶に詰めた日本酒