PMSの症状とタイプ別対策。生理前に彼氏にあたる自分が嫌い?

女性特有の悩みはいくつかありますが、月経(生理)前にむくみやイライラ、情緒不安定など、様々な不快症状を引き起こす「PMS(月経前症候群)」に悩まされる女性はとても多いです。イライラを彼氏や旦那さん、家族などにぶつけてしまい自己嫌悪に…という負の連鎖に悩んだことがある人も多いのでは?

今回は、PMSの症状と原因、そしてタイプ別の対策のコツをお伝えします。

監修:婦人科医 松村圭子


婦人科医、成城松村クリニック院長。大妻女子大学非常勤講師。婦人科専門医として、月経トラブルから更年期障害まで、女性の一生をサポートする診療を行う。小さな悩みごとでも相談しやすく、姉御肌の頼れる女医として人気。『医者が教える女性のための最強の食事術』『女30代からのなんだかわからない体の不調を治す本』など著書や監修コンテンツも多数。

PMS(月経前症候群)とは?症状が出るのはいつから?


月経前にはお腹が張る、むくむ、イライラするなど様々な不調に悩まされることがありますよね。多くの女性が月経前に感じる、心身の変化や不調を「PMS(Premenstrual Syndrome、月経前症候群)」と呼び、およそ8割の女性が経験していると考えられています。
このPMSは月経前3日くらいから10日くらいの間で起こり、月経の開始とともに消失、もしくは軽減されます。

PMSの原因は「ホルモン」


PMSの原因は、まだはっきり解明されていませんが、原因のひとつとして「女性ホルモンの急変動」が密接に関係しているとされています。
「黄体期(排卵後から月経前にかけて)には、女性ホルモンの一つである「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の分泌が増加します。そして、月経直前にもうひとつの女性ホルモン・「エストロゲン」とともに急激に減少します。このような急激な変動に心と体が振り回されてしまい、様々な症状が出てしまうのです。

また、この時期に心の安定や癒しをもたらすホルモンである「セロトニン」も減少するので、精神的に不安定になったり憂うつになったりしやすくなるとされています。

肌荒れ、イライラ…つらいPMSの症状をチェック

個人差が大きく、症状は多岐にわたりますが、主な症状は次の通り。
当てはまるかチェックしながら見てみてくださいね。当てはまる項目が多いものが、あなたのPMS症状傾向のタイプです。

主なPMSの不調:体

□肌が荒れる。
□体がむくんだり、冷える。
□なかなか寝付けないか、日中眠気が増す。
□乳房が張ったり、痛くなる。
□食欲が増えたり、体重が増える。
□頭痛や腹痛。
□吐き気がする。

主なPMSの不調:心

□イライラする。
□怒りっぽくなる。
□クヨクヨして泣きたくなる。
□やる気が起きない。
□気分が落ち込む。
□消えてしまいたいと思うことがある。
□憂うつな気分になる。

主なPMSの不調:行動

□集中力が低下して、仕事に支障が出る。
□物忘れがひどくなる。
□あまり欲しくないものを衝動買いしてしまう。
□暴飲暴食してしまう。
□周りの人に八つ当たりしてしまう。
□イライラして物を投げたりしてしまう。
□体を動かすのが面倒になる。

体・心・行動、どのタイプに当てはまる項目が多かったですか?
さて、程度の差はあってもつらいPMS。少しでも症状を和らげたいですよね…。続いては、タイプ別のPMSの対策をお教えします。

PMSの症状を抑えるには?タイプ別の対策のコツ


PMSの症状を抑えるには、まず月経周期を自分できちんと把握しておくことが大切です。手帳やスマホを利用すると良いですね。
「そろそろかな?」と自分で心の準備をしておくことで、イライラを爆発させることなく、小さ目に抑えることができますし、仕事中にはいつもより注意を払うようにすることでミスを回避することもできるかもしれません。

そのうえで、次の体、心、行動別のPMS対策のコツを参考にしてみてください。

タイプ別PMS対策:体の症状が出やすい人

体のPMS症状が出やすい人は、適度に体を動かして、休息もきちんととることが大切。軽いジョギングやストレッチ、ヨガなどがおすすめです。
体を動かしたら、湯船につかって、早めに睡眠を。
体を冷やさないように注意することも大切です。

食事は、バランスのいい食事をできるだけ1日3食摂るように心がけましょう。ビタミン、ミネラルを積極的にとって、むくみや肌荒れの原因となる塩辛い食べ物や甘い食べ物は控えましょう。便秘になりやすい場合は、冷たい飲食物を控え、食物繊維を摂るようにしましょう。

タイプ別PMS対策:心の症状が出やすい人

できるだけリフレッシュ&リラックスを心がけましょう。PMSはつらいけど、それだけホルモンがしっかり働いてくれているんだ!ととらえると心が楽になると思います。

また仕事も家事も完璧にこなそうとせずに、つらいときは少し自分を甘やかすのも良いかもしれません。可能であれば、仕事などは体調の良い時に前倒しして済ませておき、この時期にゆったりリラックスしたり、好きな趣味に没頭したりできるようにすると良いですね。

タイプ別PMS対策:行動の症状が出やすい人

睡眠不足は大敵です。普段かなり忙しい人でも、PMSの時期だけでも、ゆったりモードでストレスを溜めこまずに、なるべく気楽に過ごすようにしましょう。
仕事をこなす順番を入れ替えたり、旅行や出張の時期を調整するなども良いと思います。

また、喧嘩などにつながりやすいこのタイプは、周りの人、特に彼氏など男性に理解してもらえるように伝えるのが大切。
男性はPMSや月経のことはよくわからないので、例えば「イライラして、いやなことを言っちゃうかもしれないけど、ごめんね」などと、月経前の自分の特徴を説明し、事前に気持ちを伝えておきましょう。そうすることで、喧嘩も抑えることができると思います。

PMSの症状がつらい場合は、医師に相談する


女性ならではのこの悩みは、人によって症状は様々。そして、対処法も人それぞれです。
今回いくつか対策をご紹介しましたが、自分の体と向き合って、月経前にどんな症状が出るのか、その症状には何をしたらよいのか、と自分ならではの対策を作り上げていくことが一番といえます。

けれど、いろいろな対策を試してみても、症状が改善せず、日常生活に支障が出るような場合は、婦人科を受診しましょう。

女性ホルモンの変動を抑えるために、低用量ピルを用いる場合もありますし、便秘に対しては下剤、下腹部痛や頭痛に対しては痛み止め、吐き気に対しては吐き気止めなどを服用するという方法もあります。
また、月経前は体に水分がたまりやすく、血が滞りやすいので、そのような状態を改善するために、漢方薬で治療を行うこともあります。

どうにもならないときは、無理せず医師に相談することを考えてみてくださいね!

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ヘルスケアチーム

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