お伊勢参りの度に気になっていた、「駅前の宿」へ潜入取材してみた

昔から「日本人なら一度は参拝したい」といわれる伊勢神宮。お伊勢参りはやはり特別感があります。自身も伊勢市は何度も出向いている場所ですが、一方で宿泊となると特別感のあるところは数える程度。そんな中で少し前から気になっていたのが、伊勢市駅の目の前にドンと構える高級チックな佇まいの宿でした。


あの宿はいったい……

伊勢へ行く度にその存在感が気になっていた駅前の建物は「伊勢神泉」という宿。伊勢市駅に降り立ち外宮参道へ向かおうとすると右手に圧倒的な存在感のある宿が望めます。これまでの伊勢行きは、予算上大抵ビジネスホテルというケースが多かったのですが、その宿のことを調べてみると、全室露天風呂付きという情報に加え人気抜群らしく、なかなか予約できる機会がありませんでした。

県境を越える移動もできるようになり、伊勢へ行く用事があったので改めて調べてみると、コロナ禍で予約のハードルは低め。とはいえちょっと奮発して予約し緊張しつつ向かいました。

外観の高級感ではわからなかったアットホームさ

眺望を意識してかロビーは最上階にありました。ラグジュアリー感たっぷりか?と予想していましたが見事に裏切られることに。アットホームな雰囲気が漂い観光地のワクワク感に溢れていました。ちょっとホッとしてロビーを見回すと、おじいちゃんおばあちゃんからお父さんお母さんにお子様まで、ファミリーに好まれているようです。

ロビーでサービスのドリンクを欲張ってから部屋へ向かいます。基本は和室タイプですが、ベッドが設えられておりホテルライクな和洋室で快適そう。やっぱりベッドも楽ちんであります。

そして注目なのが客室の天然温泉露天風呂。駅前ということで目線は隠されており眺望は限られていますが、やはり贅沢この上ない。

大浴場もありますが、お伊勢参りの後に温泉でリフレッシュできるのはやはり嬉しい。個人的なツボはご当地ミキモトのシャンプー&リンスにボディソープ。いまや全国区の人気ホテルアメニティです。

実は全部プロデュースしていた

いろいろリサーチしてみると、2013年式年遷宮の年の開業。当時、伊勢市内、特に駅近に高級宿にカテゴライズされるような施設は少なく、そうしたホテルや旅館を求める人は志摩方面で宿泊していたという中でできた宿らしく、伊勢市としては待望の施設ということになるでしょうか。

伊勢駅前といえば、宿のある外宮参道の入り口にオシャレなカフェや陶器のお店など並ぶエリアがあり時々利用していました。特に「お伊勢参りcafe参道TERRACE」の長時間かけて抽出した水出しコーヒーが美味しく、お伊勢参りの楽しみのひとつでした。

古い町の雰囲気を生かしつつもハイセンスなエリアは集客効果も抜群のようで、地元の人々や観光客でいつも賑わっている印象。今回お店の人に聞いてわかったのですが、なんと“全て伊勢神泉の運営”だったことが判明。とにかく驚きました。

これで部屋食だったら

伊勢市駅の周辺にはもちろん飲食店はありますが、それほど賑やかではない印象です。伊勢神泉には日本料理店が併設されているので、1泊2食での利用が基本となりそうです。伊勢海老をはじめ地物の魚介が満喫できます。これが部屋食だったら……なんと思ってしまいますが、個室や半個室が充実したスペースなのでリラックスできました。


気になるけど行ったことがないという宿、みなさんにもあるかもしれません。調べるとわかる情報は多くありますが、やはりそこにある空気感や働く人々、隠されていたネガティブな面など“泊まってわかる”というのは宿探訪の魅力でしょう。

今回はコロナ禍の影響もあり利用しやすい料金帯でしたが、コスパやバリューに着目しつつ、今後も“気になるあの宿”を調査していきます。

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