「世界一美しいオープンカー」レクサスLC500コンバーチブル、特別仕様車の正体

昨年の東京モーターショー2019でのコンセプトカー展示、続く11月に開催されたロサンゼルスモーターショーで世界初公開されたレクサスのフラッグシップクーペ「LC」のコンバーチブルモデルが日本でも今年7月15日から販売を開始します。世界一美しいコンパーチブルとの声も聞かれるこのモデルですが、実は同時に設定された特別仕様車に秘密がありました。


クーペが作り出した世界感を継承

今回、同時に一部改良を行った「LC」は2017年3月に発表されました。独創的とも言えるデザインは高く評価され、2017-2018日本カー・オブ・ザ・イヤーではエモーショナル部門賞、北米でもデザイン賞を受賞しています。

今回追加設定されたモデルはこのLC500の世界観を継承したモデルとのことで、ひと目でLCとわかりながら新たな進化を感じさせるデザインとしています。

ルーフを閉じても美しい

LC500コンバーチブルのルーフはソフトトップを採用しています。クローズ状態でもクーペモデルと同様の流麗さを実現するためにはメタル系のルーフを使うよりはライン(形状)を表現しやすいこと。また軽量化にもプラスとなります。そしてメタル系トップではクーペとデザインが変わらない、というのも理由のひとつです。

幌を閉じた状態。クーペモデルと比較しても遜色の無い美しいデザインです

昨今のコンバーチブルの開閉には電動モーターが使われることが多いのですが、LC500はあえて油圧を採用しています。理由はその開閉時の動きにもこだわっているから。レクサスによればルーフの動き出しや動作の切り替え時にも0.2秒ほどの「タメ」を設けることで書道における筆運びにも似た動きを実現しています。一方で油圧のデメリットは電動より開閉時間がかかることですが、LC500では約15秒という短時間でフル動作を行えます。また油圧モーターの作動音なども抑え込む仕様にするなど、高級車ならではのきめ細かい部分での配慮がなされています。

フルオートでルーフが収納される姿はある種のアートを感じさせます

オープンエアを愉しむ工夫を満載

オープンカーの醍醐味は風を感じながらクルマの動きやエンジンサウンドなどがよりリアルに体感できる点にあります。一方で乗員同士の会話も含め、空調も含めた快適性も重要な要素となります。

頭上周辺の風の流れをコントロールして走行時の快適性を向上させています

元々レクサスには空調を含めた快適性を向上させる「レクサスクライメイトコンシェルジュ」が搭載されていますが、コンバーチブル専用としてエアコンの制御もオープン/クローズ状態に合わせ専用に行ったり、シートヒーターだけでなく、ネックヒーターやステアリングヒーターなども採用、これらを統合制御します。

ルーフの開閉はセンターコンソールに格納された専用スイッチで行います

同様に音に関してもANC(アクティブノイズコントロール)の採用により人間が不快に感じる音(低周波ノイズ)を低減、オーディオも専用設計としています。

締め切り間近、20台限定の特別仕様車

今回、このモデルの登場に合わせて特別仕様車が設定されました。

「LC500 Convertible“Structural Blue”」と呼ばれるこのクルマには専用外板色である「ストラクチュラルブルー」と専用内装色「ライムストーン」を採用、そのモチーフは世界各地にある「青の洞窟」。ここからインスピレーションを得てカラーコーディネートを採用しました。

特別仕様車の価格は標準モデルより150万円高の1650万円です

青く輝くボディカラーは生きた宝石と言われる「モルフォ蝶」をモチーフにしています。この特別仕様車は自然界が生み出したカラーをクルマで表現しようという極めて特殊な構造で作られています。

しかし、このクルマは60台しか設定されておらず、一般には抽選で20台しか販売されません。

インパネからシートまですべて特別のカラーリングを採用します

実は事前にレクサスのオーナー向けに先行商談と抽選申し込みが行われており、そこで40台の行き先は決まってしまいました。

オーナーならではの特権と言えばそれまでですが、何とも腑におちない部分もあるのも事実。しかし残り20台に関しては一般発売を行うことになり、ネットから申し込みを行うことになりました。

その締め切りが7月1日の23:59です。専用サイトから申し込みを行い、抽選後の7月8日から当選者には連絡が行き、その後実際の商談に入ります。

ウンチクも含めてですが、専用の内外装の仕上げや特別装備などオーナーの所有欲を満たす以上の仕上がりとなっています。

特別仕様車専用のスカッププレートも採用されます

これだけの仕上げでありながら価格もLC500コンバーチブルより150万円高の1650万円に設定、ノーマルのLC500コンバーチブルも魅力ですがわずか150万円で特別な世界を手に入れられるとしたら価値ある買い物と言えるのではないでしょうか。

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