国交相「対立の協議ではない」 佐賀県アセス拒否で 九州新幹線長崎ルート

 九州新幹線長崎ルートの未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)を巡る佐賀県との「幅広い協議」について、赤羽一嘉国土交通相は26日の閣議後の会見で「対立するための協議ではない。両者が知恵を出し合って解決したい」と述べ、議論を前進させたい考えをあらためて示した。
 国交省は佐賀県に対し、フル規格やスーパー特急など五つあるすべての整備案に対応する環境影響評価(アセスメント)の実施を求め、同県は拒否する考えを示している。この点については「(佐賀県にも)国交省の真意をよく理解してもらう努力が必要だ」と述べた。
 その上で「西日本全体の発展につながるような整備新幹線ネットワークの結論を得ることを期待している」とも語り、新幹線整備による解決を図りたい考えをにじませた。
 赤羽国交相は九州視察の一環で24、25日に佐賀、長崎両県の新しい新幹線駅などを見て回り、佐賀県内では在来線特急にも乗車。視察の感想では、高架で整備される新幹線が災害に強いとされる中で在来線特急は「コンディションがあまり良くない平地は結構揺れも激しい。防災、減災の観点からも改善の余地があると強く感じた」と話した。

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