【新型コロナ】1人暮らしの困窮学生、食料を手に笑顔 社協が無料配布

食料が入った袋を受け取る大学生(左)=横浜市金沢区

 新型コロナウイルスの影響でアルバイト収入が減り、食費などに困窮する大学生を支援しようと、横浜市金沢区社会福祉協議会は27日、米3キロ、インスタント食品、飲料などを1人暮らしの学生に無料で配布した。80人の学生は受け取った1週間分程度の食料をキャリーケースなどに詰め替え、笑顔で持ち帰った。

 同区のいきいきセンター金沢で、最初に食料配布を受けた関東学院大2年の女子学生(19)は「観光施設のバイトがなくなり、月8万円が入らなくなった。買い物にも行きづらい中、助かります」。北海道出身の男子学生(22)は「感染を恐れ、バイトもしていない。1日2食にしていたが、運動系の部活が始まり3食にしたので支援はすごくありがたい」と喜んだ。

 大学キャンパスでは現在も学生の出入りが制限されたり、禁止されたりしている。米などを受け取り感謝した横浜市大2年の医学部生(20)は「オンライン授業が続き、解剖などの実習がなくなった。今後の勉強に支障が出ないか心配」と、不安を口にした。

 今回は「フードバンクかながわ」など同区内の団体や企業から食材の寄付を受けて実現。同社協が今月17日、関東大と市大を通じて学生に食料配布を案内したところ、受け付け開始41分後に定員100人に達し、「お金がないので毎日もやしを食べています」「親にも頼れない」などのメッセージが届いた。

 同社協事務局長の西谷大介さんは「食料を配布した学生から『地域で見守っている人がいることを感じ、温かい気持ちになった』などの声を聞いた。支援が少しでも力になれば」とエールを送った。第2弾は7月中旬に予定し、同社協のホームページなどで案内するという。

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