首都圏襲うゲリラ豪雨や雷… 危険な気象を一目で 防災科研「ソラチェク」公開

雨の範囲や強度を示したソラチェクの画面

 首都圏で発生するゲリラ豪雨や雷などの危険な気象現象をインターネット上で確認できる「ソラチェク」が公開された。防災科学技術研究所(茨城県つくば市)が独自の解析技術や観測データを基に防災情報として提供。パソコンやスマートフォンからアクセスが可能で、担当者は「身の安全を守る行動や屋外イベントの開催判断などに役立てて」と呼び掛けている。

 ゲリラ豪雨など局地的な現象をもたらす発達した積乱雲は、ピンポイントの発生予測が難しい。だが、都市部では道路冠水や中小河川の氾濫などで被害を招くため、早期に検知して注意を呼び掛けることが課題となっている。

 その解決に向けて防災科研は、海老名市などに設置している高性能の気象レーダーや雷センサーを活用。気象庁の観測データも組み合わせ、雨の強さ、風向と風速、雲の中の雷の状況をソラチェクの電子地図上で即座に示せるようにした。ひょうが降ったと推定される地域も表示できる。

 対象エリアは、東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬の1都6県と山梨県などの一部。雨と雷は250メートル四方、ひょうは500メートル四方、風は1キロ四方を単位とし、5~10分間隔で更新。色分けして表示し、風雨などの激しさが一目で分かるようにした。

 防災科研の水・土砂防災研究部門の岩波越総括主任研究員は「リアルタイムの状況だけでなく、発生した現象の推移を2時間前までさかのぼって確認できるので、危険な現象が近づいているかどうかチェックできる」と活用法を指南。「ひょうの発生についてはあくまで推定だが、農作物などの迅速な被害確認や対処に生かせる」と強調する。今後、検知精度の向上を図るなど改良していくという。

 「ソラチェク」で検索すると閲覧できる。

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