開幕60試合での好記録 防御率0点台や4割打者も

メジャーリーグ公式サイトのアンドリュー・サイモンは日本時間6月28日、現行の30球団制となった1998年以降、開幕60試合で素晴らしい活躍を見せた選手やチームを特集する記事を公開した。今年のレギュラーシーズンは異例の60試合制で行われるが、これらの好記録に匹敵する見事な活躍を見せる選手が現れるかもしれない。

2018年、アメリカン・リーグ東部地区のライバル球団同士であるレッドソックスとヤンキースはともに開幕60試合で41勝19敗を記録。過去22年間、開幕60試合で41勝以上を記録した例は11度あるが、同じシーズンに同地区の2球団が41勝以上を記録した例はこれが唯一である。最終的にレッドソックスは108勝54敗、ヤンキースは100勝62敗でポストシーズンに進出し、地区シリーズでレッドソックスがヤンキースを撃破。その勢いのまま、ワールドシリーズ制覇を成し遂げた。

2011年、ブルージェイズのホゼ・バティースタが開幕60試合で打率.346、20本塁打、41打点、OPS1.226の大活躍。54本塁打と突如ブレイクした前年の活躍がフロックでないことを証明し、この年は最終的に打率.302、43本塁打、103打点、OPS1.056という自己最高のシーズンを過ごした。

2010年、ロッキーズのウバルド・ヒメネスが開幕から絶好調。開幕60試合の時点で12試合に先発し、11勝1敗、防御率0.93という見事な成績をマークした。12試合のうち8試合が敵地での登板という幸運もあったが、本拠地クアーズ・フィールドでの4試合でも防御率1.29の好投。4月17日には敵地でのブレーブス戦でノーヒッターを達成した。

2009年、当時36歳のラウル・イバニェス(フィリーズ)が開幕60試合で22本塁打を記録。マリナーズ時代の2006年に33本塁打を放った実績はあったが、それ以外のシーズンはすべて24本塁打以下であり、ベテラン外野手の猛打は球界を驚かせた。その後、失速したものの、この年は最終的に自己最多の34本塁打をマークした。

2008年、ブレーブスのチッパー・ジョーンズが開幕60試合で打率.409を記録。2000年以降、開幕60試合で4割以上の打率をマークした例はこれが唯一である。ジョーンズはその後、開幕73試合目まで打率4割をキープ。最終的には自己最高の.364を記録し、首位打者のタイトルを手にした。

2004年、レッズのダニー・グレイブスが開幕60試合で26セーブを記録。この年、レッズは開幕60試合で34勝26敗をマークしたが、グレイブスは34勝の76.5%にあたる26試合でセーブを記録したことになる。なお、開幕60試合で26セーブを記録した投手はもう1人おり、しかもグレイブスと同じシーズンに記録している。ヤンキースのマリアーノ・リベラである。

2001年、イチローが加入したマリナーズは開幕から快進撃を続け、開幕60試合で47勝13敗を記録。この時点で2位エンゼルスに17ゲーム差を付けていた。イチローは開幕60試合で打率.356、佐々木主浩は24セーブをマーク。ブレット・ブーンが66打点、アーロン・シーリーが8勝0敗を記録するなど、チーム全体が絶好調だった。

2000年、エンゼルスのダリン・アースタッドが開幕60試合で99安打を記録。4月末の時点で打率.449、開幕60試合終了時点でも.384という高打率をマークしていた。打率.355でシーズンを終え、1930年以降ではウェイド・ボッグスに次いで2人目となるシーズン240安打に到達した(その後イチローが2度記録)。

1999年、ランディ・ジョンソン(ダイヤモンドバックス)とペドロ・マルティネス(レッドソックス)がともに開幕60試合で143奪三振を記録。最終的にジョンソンは364奪三振、マルティネスは313奪三振をマークし、両者ともサイ・ヤング賞を受賞した。

1999年にはさらに、アストロズのホゼ・リマが開幕60試合で11勝をマークした。シーズン初登板こそ8回2失点ながら敗戦投手となったが、そこから8連勝→2敗目→3連勝で開幕60試合目に11勝目をマーク。その後、さらに10勝を積み上げ、自己最多の21勝を記録してシーズンを終えた。

1998年、マーク・マグワイア(カージナルス)とサミー・ソーサ(カブス)のホームラン合戦が注目されたが、レンジャーズのフアン・ゴンザレスは開幕60試合で76打点を記録。1930年にハック・ウィルソンがマークしたシーズン191打点のメジャー記録に挑んでいた。この時点でシーズン205打点ペースとなり、前半戦だけで101打点を記録したが、後半戦は失速して157打点でシーズン終了となった。

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