たった1人の野球部員 4高連合チームのエースに 退部した他校部員も刺激受け復帰 #夏は終わらせない県高校野球(2)

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開邦・南部農林・辺士名・真和志の4校連合のエースを務める仲宗根匠=真和志高校(下地広也撮影)

 春季大会で、連合チームで初めて16強入りした開邦・南部農林・辺土名・真和志が夏も同じチームで出場する。エースの仲宗根匠は、真和志でたった1人の野球部員だ。

 「最後の夏を仲間と野球ができてうれしい」と感謝し、春を上回る8強入りを宣言した。

 高校球児の夢舞台である夏の大会は遠い存在だった。1年のときは真和志単独で出場できたが、2年になると部員が仲宗根だけになり欠場。「不安だったが、3月までの津留直樹監督、今の田里友哉監督も『一緒にやっていこう』と言ってくれた」と指導者に励まされ、支えられてここまできた。

 新型コロナウイルスの影響で、甲子園大会が中止になった最終学年の今夏。目標を独自の県大会に切り替え、平日は黙々と1人で投げ込み、週末は連合チームで実戦経験を積む。

 持ち味は、右サイドスローからコーナーに投げ分ける変化球だ。普段は物静かだが、味方がミスをしても「抑えるから大丈夫」と動じない強さがある。春は2回戦で持ち前のメンタルの強さを発揮し、シードの八重山農林打線を要所で抑えて7-4で勝利した。

 この勝利に勇気付けられた選手がいる。南部農林2年の古堅奏琉と仲本政世は昨年11月に退部していたが、連合チームの快進撃を知り復帰を決めた。2人は「俺たちもできるんじゃないか。もう少し上に行けるかもって、目標ができた」と声を弾ませる。「試合勘はまだまだ。練習をこなしてブランクを埋めたい」と力を込めた。

 開邦3年で捕手の金城温大主将は「経験者が戻り、戦力は春より上がった。仲宗根も直球にキレがあり、変化球のコントロールも思ったよりいい」と太鼓判を押す。

 春に続けと周囲の期待も高まっている。仲宗根は「春を上回る成果を出して、みんなで喜び合いたい」。闘志を胸にマウンドに立つ。

(新崎哲史)

 

(写図説明)開邦・南部農林・辺士名・真和志の4校連合のエースを務める仲宗根匠=真和志高校(下地広也撮影)