6月発表のトヨタ RAV4 PHVが早くも販売中止に|リチウムイオン電池生産がキャパオーバー、再開は未定

トヨタ RAV4 PHV Black-tone[ボディカラー:アティチュードブラックマイカ×エモーショナルレッドII]

独自の大容量・高出力版リチウムイオンバッテリーを搭載

6月に発表されたばかりのRAV4 PHV

トヨタ自動車は、2020年6月29日、新型車RAV4 PHVの受注について一時停止すると自社の公式サイト上で公開した。

RAV4 PHVは人気SUVのRAV4の新ラインナップで、新開発のプラグインハイブリッドシステム「THS II Plug-in」を搭載するニューモデル。RAV4のハイブリッドシステムよりもフロントモーターとインバーターを高出力化し、大容量・高出力のリチウムイオンバッテリーと組み合わせることで、システム最高出力225kW(306PS)を達成、0~100km/h加速は6.0秒とスポーティで力強い走りを実現させたRAV4シリーズのフラッグシップモデルだ。価格も469万円から539万円と高価な設定となっている。

バッテリーの生産能力を超える勢いの受注が集中

トヨタ自動車 公式サイトより

RAV4 PHVの紹介ページでは「RAV4 PHVは現在、ご注文を一時停止させていただいております」と表示。その理由について「大変多くのお客様にご好評いただき、現在新規搭載のバッテリーの生産能力を大幅に上回るご注文をいただいております」(トヨタ自動車 RAV4 PHV 公式サイトより)と説明する。

トヨタではこれが世界的なコロナ禍の影響なのか、もともとのキャパシティの問題なのかは、サイト上では明示していない.

実はRAV4 PHVの発表時、トヨタでは同車の月販目標台数を300台と低く設定しており、もともと生産規模は少量だった。サイトでは「すでに年度内の生産分は終了」したとしており、発売後1か月経たずに2021年春までの国内向け生産台数分は全て受注してしまったということのようだ。

販売の再開時期は未定、早くとも2021年以降か

大容量リチウムイオン電池の生産キャパがネックに

最新のプラグインハイブリッド車であるRAV4 PHVは、新技術ゆえ高価なモデルに対するCEV(クリーンエネルギー自動車)補助金対象車となっている。一般社団法人の次世代自動車振興センターのサイトでは、RAV4 PHVの令和2年度補助金例を22万円と掲載している。これはあくまで今年度の例で、令和3年度の補助金についてはまだ発表されていない。

トヨタではRAV4 PHVの販売再開時期については「今後の生産および来年度の税制状況等を踏まえ、改めてご案内申し上げます」(前出公式サイト)としている。

来年度にならないと決まらない補助金を含めた総額の計算が不明なまま、ユーザーからの予約受注は出来ないというトヨタ側の判断もあった模様だ。

このような状況からRAV4 PHV予約受注の年内再開は厳しく、2021年以降までお預けとなった。

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