巨匠ウッディ・アレン監督が、今をときめく若手俳優ティモシー・シャラメ、エル・ファニング、セレーナ・ゴメスらを主要キャストに迎え、メガホンをとったロマンティックコメディ。
ニューヨークを舞台に多くの作品を生み出してきた監督らしく、美しくてクールなニューヨークの街並みとともに若くて純粋な学生2人のドタバタな一夜が始まります。田舎出身の彼女は、大物監督のインタビューで舞い上がり、あっという間にセレブリティたちのカオスなロマンスに巻き込まれていく。一方生粋のニューヨーカーの主人公・ギャッツビーは彼女との完璧なニューヨークの夜が台無しになってしまったことでメランコリックな夜を過ごします。
映画『アニー・ホール』、『マンハッタン』そして『ブロードウェイと銃弾』などの過去作品では、スタンダップコメディアンのキャリアを生かしてウイットに富んだ会話で観客を魅了してきたアレン監督。私もかつては、洒落たニューヨークの街並みや、ジャズの流れるバーでタバコを薫らせながら主人公たちが繰り広げる会話の全てに憧れを抱いた1人です。
80歳をこえても尚、その“洒落た”センスは健在で、若い俳優たちの個性を存分に引き出しているところは流石の一言。ニューヨークは、新型コロナウイルスの感染拡大の大きな被害が出た場所として、ブロードウェイや、博物館、カルチャーの全てがストップしてしまいました。こんな時期だからこそ、スクリーンの中で主人公たちが生き生きと現代のクールなニューヨークでの時間を過ごす姿はとても輝いて見えました。★★★★☆(森田真帆)
7月3日より、全国公開
監督:ウッディ・アレン
出演:ティモシー・シャラメ、エル・ファニング、セレーナ・ゴメス