「三度目の正直」説

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 少し前に書いた野球の歴史-の続きである。「打てる」と審判が判定した投球を見逃す行為が空振りと同視されるようになったのは、1858年のことらしい▲審判が「STRIKE(ストライク=打て)」とコールするのはこのため。積極的に振ろう、と打者にスイングを促しているのだ。「好球必打」がもともとルールに内在しているおおらかな球技▲バッターアウトや攻守交代など野球にまつわる幾つかの「3」は「仏の顔も三度まで」と関係があるのかも、と先日この欄にバカな思いつきを書いたら、運動部の野球担当記者がニヤニヤしながら「“三度目の正直”かもしれませんよ」と反論してくれた▲なるほど。ポンポンと二つストライクを取られて窮地の打者、「今度こそ」とバットを少し短く握り直して次の投球を待つ、さあ来いっ…そんな心境には確かに「三度目の正直」の方がよく似合う▲新型コロナで中止になった全国高校野球の長崎大会に代わる「県高校野球大会」は開幕まであと10日。今度こそ長崎の頂点に、今年こそ1勝を-と、3年生たちはそれぞれの「3度目」に懸ける思いを新たにしている頃▲仲間との練習も残りわずか。悔いのない準備で試合に臨めるといい。はあ、また雨か-。恨めしそうに空を見上げる顔が見える気がする。(智)