長崎 コロナ解雇など少なくとも600人 1カ月で倍増、急速に悪化 非正規労働者 雇用の調整弁とされている実態

 長崎労働局は29日、新型コロナウイルス関連の解雇や雇い止め(19日時点)が見込みを含めて少なくとも65社の600人に上ったと明らかにした。約1カ月で倍増しており、雇用情勢が急速に悪化している実態が鮮明になった。
 労働局が県内のハローワークからの情報を基に、把握できた分を集計した。九州各県と比較すると、本県は福岡県の904人に次いで多かった。
 解雇や雇い止めされた労働者の雇用形態別の内訳はこれまで把握していなかったが、労働局は5月下旬から正社員と非正規労働者に分けて集計を開始。600人のうち、非正規労働者は少なくとも288人に上る。労働局は「雇用形態別に集計を始める前も含めれば非正規労働者が全体の半数以上を占めるのではないか」とみており、コロナ禍で企業の業績が悪化する中、非正規労働者が雇用の調整弁とされている実態がうかがえる。
 労働局によると、前回まとめた5月27日時点の解雇・雇い止め(見込み含む)は37社の276人だった。今回調査では、製造業が9社の268人(前回調査比4社148人増)、宿泊・飲食サービス業は17社の101人(同4社12人増)、卸小売業が9社70人(同4社53人増)-など。宿泊施設の休業や学校の休校に伴う給食の中止などで影響を受けたとみられる。
 労働局は「雇用調整助成金などを活用し、雇用の維持をお願いしたい」としている。

 


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