映画館、座席数制限で厳しい経営…流れに従い「最大限の努力を」

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「映画館に行こう!」会見に出席した松岡宏泰、役所広司、岡田裕介

30日、「映画館に行こう!」キャンペーン2020の発足記者会見が都内で行われ、アンバサダーを務める俳優の役所広司、実行委員顧問の岡田裕介、キャンペーン委員長の松岡宏泰が出席。日本映画製作者連盟会長でもある岡田は、映画館の座席が満席の約50パーセント以下でしか稼働できない現状について見解を述べた。

役所広司「映画館に行こう!」キャンペーンメッセージ

先日、全国興行生活衛生同業組合連合会(通称:全興連)が提示した「映画館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」によると、映画館では現在、十分な座席間隔を確保するため、前後左右を開けた座席数での営業となっている。この状況について、報道陣から「経営的に厳しいのでは?」と質問が飛ぶと、岡田は「きついです」と率直に回答した。

続けて「でも、世の中の流れに従ってやる。今はまだ新作映画の公開が少ないですが、7月半ばぐらいから東宝さんの作品も公開され、8月になればそろってくる。そのころから本格的に元に戻せればいいのだが」と希望を述べる岡田氏。松岡も「映画館を運営している皆さん、配給チーム、制作サイドもみな、100パーセントの座席数で営業をしたいという思いはあります。でも自分たちだけで決めることはできません。専門家の先生の話を聞きながら、進めていきたい」と語る。

しかし現在、東京を含め、新型コロナウイルスの感染者数は再び徐々に増えてきている。「しっかり(感染の)推移は見守っていかなければいけない。幸い映画館でクラスターは起きていませんが、今後もそうならないように、最大限の努力をしていきたい」と慎重な意見も述べる岡田。松岡も「いまは映画館全体で物事を考えようという意見になっている。新型コロナウイルスは、何が起こるか全くわからない。現時点でなかなかスパッと決められないことが難しい」と頭を悩ませているようだ。

こうした状況下、映画館での上映ではなく配信への移行を余儀なくされた作品もいくつか見受けられた。松岡は「緊急事態宣言で映画館が休業しているなか、作り手としてはいち早く鑑賞していただきたいという思いがあり、配信という形になった作品もあると思います。でも、95パーセント以上の作品が“延期”という形をとりました。まだ映画館で上映することに価値があると思っている関係者が多いということだと思う」とする一方で「映画館上映の後で、配信にお世話になるという関係性はあるので、敵という感覚は全くないです」と述べていた。

「映画館に行こう!」キャンペーンは、本日から2020年8月31日までの約2か月間、「映画館は安全で、安心で、楽しい場所である」ことをあらゆる映画人が発信していくプロジェクト。(磯部正和)