小林千晃◆「“いつかたっぷり掛け合えたら”と思っていたので、光栄です」諏訪部順一◆「小林くんとの共演は初めてでしたので、どういう演技をする人なのか楽しみでした」

現在、Netflixで好評配信中のアニメ「GREAT PRETENDER」(通称・グレプリ)が、7月8日からフジテレビ「+Ultra」ほか各局でついに放送スタート! “日本一の詐欺師”を自称する枝村真人(通称・エダマメ)が、フランス人詐欺師のローラン・ティエリーに出会い動きだすコン・ゲームで、アメリカ・ロサンゼルスやシンガポールなど世界各地を飛び回る壮大なスケールの物語と、豪華スタッフ陣にも注目が集まっている。今回は、メインキャストであるエダマメ役の小林千晃とローラン役の諏訪部順一の2人にインタビュー! 本作への思いやアフレコ秘話などを語ってもらった。

――まずは、本作への出演が決まった時のお気持ちから教えてください。

小林 「企画の段階から“めちゃくちゃ面白そうだな”とビシビシ感じていたので、純粋にうれしかったです。しかも、脚本を担当されているのが古沢良太さんじゃないですか。古沢さんといえば、映画『キサラギ』(2007年)やドラマ『コンフィデンスマンJP』(18年)などを書かれていて、昔から“古沢さんが書いたドラマや映画は面白い”と思って見ていたので、“古沢さんが書かれたアニメに関われるなんて!”と本当に光栄でした」

諏訪部 「自分もオーディションに使用した台本を読んだだけで“これはとても面白そうだ”と思いました。ですが、実は役が決まるまでに結構時間が掛かったんです。ローランのキャラクターの方向性など、制作サイドの中で意見がいろいろあったらしく(笑)。演じることができて本当によかったです」

――オーディション時の台本は、本編のセリフを抜粋したものだと聞きます。そこからも作品の魅力が伝わってきたのですね。

諏訪部 「さまざまなシーンから抜き出したセリフではありますが、何となくシーンの状況はつかめたりしますし、言葉運びの妙なども感じ取ることができます。最終審査は小林くんと一緒に演じましたしね。これは演じがいがある作品だなと…」

――小林さんと諏訪部さんが共演されるのは初めてですよね。

小林 「そうなんです。諏訪部さんのことは一方的に存じ上げていて“いつかたっぷり掛け合えたら”と思っていたので、光栄ですし、とにかく幸せな時間を過ごせました」

諏訪部 「小林くんとの共演は初めてでしたので、どういう演技をする人なのか楽しみでした。いざアフレコが始まると、メインどころは割と年齢層高めのキャスト陣の中、緊張した様子も見えず、毎回堂々と演じていましたね。エダマメとしっかり向き合って、一生懸命取り組んでいたんじゃないでしょうか」

小林 「ありがとうございます!」

――小林さんは本作では主演であり、いわば“座長”ですものね。

小林 「諏訪部さんもおっしゃった通り、現場は大先輩ばかりなんです。しかも、エピソードごとにゲストの方もいらっしゃいます。そういう方々にも“やりやすい現場だな”と思ってもらいたくて、現場では積極的に話しかけて自分なりにいい雰囲気を作ろうとしていました。状況によってできないこともあったんですけどね」

諏訪部 「ちゃんとその気持ちは伝わっていたんじゃないかな。初登場の方や久しぶりに出番があった方に、物語の流れについて説明したりもしていたね(笑)」

小林 「そうでしたね。エダマメを追っていればメインストーリーは分かるので、すぐに答えることができました」

――では、この流れで現場でのお芝居のお話も聞かせてください。事前に準備されたことはありましたか?

小林 「準備したことはほとんどないと思います。オーディションの段階から素の状態でできる役だなと思っていたので、あまり作り込むことをせず、“自分ならどうするだろう”と考えながら演じていましたね。あと、エダマメはキャンキャンとうるさいですし(笑)、計画から外れたことをするので見ている方によっては不快感を抱くこともあるかもしれません。なので、できるだけ嫌われないように、かわいく愛嬌を見せることを意識しました」

諏訪部 「この作品に限ったことではありませんが、事前に特別なことはしていません。いただいている設定資料や台本をしっかり読み込んで、自分の中にローランという人物を落とし込んで収録に挑み、演出サイドの要望を受け取りながら演じるといういつものやり方ですね。こういう内容でこういう見た目だからこういう感じの演技、といったような紋切り型のキャラメークは絶対にしないよう努めています。実在する1人の人間として、彼の存在を表現できるように」

小林 「そういえば僕、1話のディレクションですごく苦労したシーンがあったんです。セリフというより叫びなんですけど、“コォーーー!”と息を吐く場面があって、10回以上録りました。どうやら皆さんの中には明確な答えがあるようなんですけど、僕にはそれが分からなかったんです。周りの皆さんからは、『もっと、関根勤さんっぽく!』と言われたんですけど、それもピンと来なくて(笑)」

諏訪部 「ジェネレーションギャップだよね(笑)。パロディーがちょいちょい盛り込まれていたりするのですが、小林くんたち若いキャストは元ネタを知らないことが多く歯がゆかったですね(笑)。あれは『空手バカ一代』(77年)の千葉真一さんのものまねです」

小林 「どこで役に立つか分かりませんし、過去のこともちゃんと知っておかないといけないですね。でも、そういう苦労も含めていい経験になりました」

――また、今回はオリジナルアニメで原作が存在しません。参考資料が台本のみですが、どのように作品やキャラクターの輪郭をつかんでいったのでしょうか?

諏訪部 「まずは設定資料や台本を読み込み、自分の中でイメージを膨らませてキャラクターメイキングをするほかありません。そこでどうしても埋められないものがあった場合、現場で監督や音響監督に質問して情報をいただきます。それを咀嚼(そしゃく)して本番で演じてみて、特に何も言われなければOKだろうし、ディレクションがあれば修整する感じですね」

――自分の中でどこまで理解し、応用ができるかが重要ですね。

諏訪部 「理解力は重要です。1から10まで全部言われてやるものではないので。求められているものを的確に理解して、求められている以上のクオリティーを目指して表現していくのが自分たちの仕事だと思っています。時には演出サイドの想像のいい意味で斜め上を行くような(笑)。画が完全に出来上がっていなかったりすると、ありがたいことに、こちらの演技に合わせて画の方を修整してくださることもあるんです。キャストの頑張りで作品がグレードアップする伸び代は、原作ものよりオリジナル作品の方があるかもしれませんね」

小林 「僕も現場で『エダマメはこういうところがあるよ』と点で言われることはありましたけど、『こういう役だからこうやって』と、点と点をつなげてもらう機会はありませんでした。音響監督には『お前には教えない』って言われることもありましたし(笑)」

諏訪部 「その時点でエダマメが知らない情報は、小林くんも知らなくていいわけだからね」

小林 「そうですね。だからこそ、ナチュラルに驚くことができました。今回は、特にナチュラルな感情を当てはめやすかったので、“こうしよう、ああしよう”と考えることは特になかったです。楽しく演じられましたね」

――裏話を聞き、放送がますます楽しみになりました。では最後に、世界を股にかける本作にちなんで、自由に旅ができる状況になったら2人でどこに行ってみたいですか?

諏訪部 「小林くんは行きたいところある?」

小林 「北海道や福岡には行ったことがないので行ってみたいです」

諏訪部 「国内!? もちろんそれもアリだけど、一応『グレプリ』は世界を股にかける作品だよ(笑)」

小林 「そうでした(笑)。行くなら自然豊かなところがいいんです。だからアイスランドには興味があるんですけど…」

諏訪部 「そういう感じなんだね。自分は行ったことがないところならどこでも行ってみたいのですが、いま強いて言うならばフランスでしょうか。ローランがフランス生まれなので」

――演じた後で行ったら、感じ取るものも違うでしょうね。

小林 「フランス、いいですね! ヨーロッパは観光地が多いですし、僕も行ってみたいです」

諏訪部 「あとは、古代遺跡が好きなのでピラミッドも実物を一度見てみたい」

小林 「ナスカの地上絵とかもいいですよね」

諏訪部 「いいね。あと、アンコールワットとかペトラとか、ストーンヘンジとかモアイとか、一度は見ておきたいものが世界にはたくさんあります」

小林 「そういうのを一気に回ってみてみるのがいいですね」

諏訪部 「じゃあ、世界一周ということで。諸国漫遊します」

【プロフィール】

小林千晃(こばやし ちあき)
6月4日神奈川県生まれ。ふたご座。アニメ「妖怪学園Y ~Nとの遭遇~」「遊☆戯☆王SEVENS」(ともにテレビ東京系)が放送中。また、「憂国のモリアーティ」の放送も控えている。スマートフォンゲーム「ディズニー ツイステッドワンダーランド」にも出演中。

諏訪部順一(すわべ じゅんいち)
3月29日東京都生まれ。おひつじ座。A型。アニメ「文豪とアルケミスト ~審判ノ歯車~」(テレビ東京ほか)が7月3日から放送再開。「呪術廻戦」(TBS系)が10月からスタート予定。「MARS RED」が2021年に放送予定。映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」が近日公開。

【番組情報】

「GREAT PRETENDER」

7月8日スタート
フジテレビほか
水曜 深夜0:55~1:25

監督・鏑木ひろ、キャラクターデザイン・貞本義行、脚本およびシリーズ構成・古沢良太のタッグでWIT STUDIOが制作を手掛けるオリジナルアニメ。自称“日本一の詐欺師”の枝村(小林千晃)は同業者のローラン(諏訪部順一)に気に入られ、“ある勝負”を提案される。

【プレゼント】

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応募はコチラ→https://www.tvguide.or.jp/tvguide_enquete
(応募期間:2020年7月1日正午~7月8日午前11:59)

ハガキでの応募方法は「TVガイド」7月10日号(P98)をご覧ください。
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取材・文/松本まゆげ 撮影/為広麻里

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