NY市長、警察部門の予算10億ドル削減を約束

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ニューヨーク市のデブラシオ市長は29日、警察部門の年間予算約60億ドルのうち、10億ドルを削減し、他の社会サービスに割り当てると発表した。デブラシオ氏が、削減額を明示するのは今回が初めて。

会見で「社会で多くの問題の原因となっている基本的問題に対処する形で、若者やコミュニティに影響を与えるプログラム」に再配分すると述べた。さらに「真の改革を実行できる計画を嬉しく思うと同時に、私たちの街を安全に保ち、必要なエリアを警察官がパトロールできるようにする」と語っている。

市長室は、青少年センターやニューヨーク市住宅管理局の住宅開発に、5億ドルの予算を割り当てるとしている。

ニューヨークタイムズによると、予算削減案には1,163人の警察官の新規採用の中止ほか、学校警備を行う警察官の教育局への配置換えなどが含まれており、同紙は「半分近くは、巧妙なごまかし」と指摘している。

NBCニューヨークによると、現在の警察部門の予算は、2000年の30億ドルから2倍近くに膨れ上がっている。増加の要因として、学校警備の機能を教育局から移管したり、住宅・交通警察を吸収するなどの組織変更が行われたことや、2001年の同時多発テロ事件以降、テロ対策や諜報活動の特別部隊への支出増加を上げた。

警察組合は、発砲事件が増加していることから「いまでも警察官の人員は十分でない」と指摘。予算削減により、街を守る警官はより少なくなるだろうと警告している。

「Defund Police」を求める声

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ジョージ・フロイドさんの死亡事件を契機に、警察改革に加え、警察部門の予算削減を求める「デファンド・ポリス」の声が全米で高まっている。

ニューヨーク市でも市議会議員や活動家、市長室の元職員などが、10億ドルの予算削減を求めていた。予算成立を前に、市庁舎前では抗議者らが連日泊り込み、「オキュパイ・シティホール」の抗議活動が行われている。削減した予算を、アフォーダブルハウジングやヘルスケア、教育、コミュニティ支援などに割り当てるよう求めている。

市の予算は、デブラシオ政権の元で大幅に増加しており、2014年に約730億ドルだったが、2019年の920億ドルへと膨らんだ。
しかし、新型コロナウイルスの影響を受け、市は90億ドルの財政赤字を見込んでいる。デブラシオ氏は当初の予算案から約80億ドルの支出を削減したが、さらに10億ドルの削減が求められていた。