廣瀬智紀、映画「HERO~2020~」リモートアフタートークショーに登場。「満員御礼に本当に幸せ!」

全国公開中の映画「HERO~2020~」の主演を務める廣瀬智紀と西条みつとし監督が、6月27日に作品上映後のリモートアフタートークに登場した。

同作は、西条監督が手掛けた舞台作品の映画化で、2年間限定で交際を始めたカップルの恋の行方を、涙と笑いを交えて描くハートウォーミングコメディー。廣瀬は、昨夏に上演された舞台版の「HERO 〜2019夏〜」に続き、主人公・広樹を演じている。

トークショーは、東京にいる彼らと上映初日を迎えた大阪の「シアターセブン」を双方向でつないで行われた。廣瀬は「今できうる配慮の中で、大阪の初日で満員御礼でこれだけのお客さまに見ていただけたこと、本当に幸せだなと思います。直接はお会いできなかったですけれど、こうやって顔を合わせてお話できるということなので、少しの時間ですが、一緒に楽しみましょう」と語りかけ、西条監督は「こういう状況の中でわざわざ足を運んでいただき、本当にうれしいです」とあいさつした。

「HERO」は西条監督が、尊敬する自身の父親を作品にしたいという思いで執筆したということで、「僕にとっては初めて身近でかっこいい男の人というのが父親の存在で、父親みたいな人になりたいという思いが今もずっとあって、入り口としてはそこから作り始めました」と説明した。また、先日の前夜祭で「(廣瀬)智紀が好き」と告白していたことをツッコまれ、「HERO 〜2019夏〜」や本作を通してあらためて気付いた廣瀬の魅力について質問が及んだ。

西条監督は「知り合ってから8〜9年経ち、久しぶりにこうやってお仕事をさせていただいて、柔らかさというか優しさを身にまとった感じは、ずっとこうやって芸能界でやってきても変わらなくてすてきだなと思います。お芝居は昔とは違って、会うたびにどんどんお芝居に重さが出てきて、たくましくなったなと思いました」と廣瀬を称賛した。

一方、2012年の「HERO」の初演では、レンタル人材派遣会社社長・松島役で出演した廣瀬は、「この業界に入って、お芝居に触れた当初に見ていただいているからこそ、8年越しで同じ作品をこのポジションでやらせていただくというのはありがたいという思いと、感謝の気持ちでいっぱいです。監督もいい意味で変わっていなくて、ずっとシャイなんです。ただ、過去に芸人さんをやられていたりだとか、表に出るお仕事もされていたりした方なんですけれど、控えめな方で、スイッチのオンオフがすごくはっきりしている方です」と西条の印象を話した。

イベントは大阪の観客からの質問も実施。「死神大佐役の斎藤工さんとどんな話をしたのか?」と聞かれた廣瀬は、「待ち時間の間にメーク室にいらっしゃったので、勇気を出して話しかけようと思ったのに、死神大佐の衣装を着ていたこともありオーラがあったので、話しかけられなかったんです。斎藤さんはヘアメークさんとお話をしていたので、僕はずっと話しかけられず、盗み聞きするというおかしな感じになっちゃいました。けれど、初めての共演というのは次へのきっかけになるのがうれしいです」と明かした。

「作品を2度目、3度目に見る際はどういった目線で見るのがお勧めか?」という問いには、廣瀬が「本作は仕掛けがいろいろあって、どんでん返しがあるので、自分たちも演者として緻密に作り上げていきました。例えば、僕と浅美(北原里英)のシーンは、病院での気まずい空気感だとかを一つ一つ繊細に撮っていただきました。仕掛けを知った上で2回目に見る時は、そういった一つ一つの『ここはこうだったから、こういうお芝居になっていたんだ』というところを楽しんでもらいたいです」と回答。一方、西条は「最初は、『どうして別れるんだろう』と、(廣瀬が演じた)広樹という役のどこに心(しん)があるか分からない状況で見たと思うんですけれど、気持ちが分かった上で見ると、芝居が正しいものかどうかが見られます。特に広樹役の場合は、分かった上で見るとぐっとくるところがたくさんあるので、そこに注目していただきたいです」とアピール。

最後に、西条監督は「2度、3度、見方を変えて楽しめる内容になっているので、ぜひまた足を運んでいただけたらうれしいです」とメッセージを送り、廣瀬は「このような状況で、映画館に足を運んで見るというエネルギーをここに使っていただいたことが幸せです。あらためてこういう仕事をしていて思うのが、『HERO〜2019夏〜』は東京だけでやった舞台だったので、東京に見に来てくださった方もいらっしゃると思うんですけれど、そこまで足を運んで見ていただくという熱量をお届けできているということがうれしいですし、エンターテイナー・表現者として、しっかりそういう作品を届けていけるように、より一層ふんどしを締め直して頑張っていきたいと思っています」と熱い思いを語った。

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