東海道新幹線「N700S」午前6時に東京を発ち、博多へ 出発式の様子をお届け!

東海道新幹線新型車両「N700S」 こちらは15番線ホームの6時15分発「のぞみ3号」博多行き

2020(令和2)年7月1日午前6時、JR東京駅14番線から東海道新幹線の新型車両「N700S」を使用した「のぞみ」1号 博多行きが出発しました。

出発式ではJR東海の代表取締役社長 金子慎氏による挨拶、花束の贈呈、記念撮影ならびにN700Sの車両説明が行われました。

N700Sは東海道新幹線の今後を担う「標準車両」です。東海道新幹線では16両編成で使用しますが、12両編成・8両編成などに柔軟に対応できる汎用性を有しており、国内外問わず様々な線区で活躍できる可能性を秘めています。

グリーン車など一部の号車には揺れを抑えるためにフルアクティブ制振制御装置を搭載し、座席のリクライニングを改良したことで乗り心地が向上。「全席コンセント」や「防犯カメラの設置台数増」といったサービスの改善により、快適性や安全性においても従来のN700Aを上回る車両になりました。

加えて、高速鉄道としては世界で初めてバッテリー自走システムを搭載し、停電時など災害時にも安全な場所まで自走できるようになっています。金子氏はこれを「床下機器の徹底した小型化の成果」であるとし、多くの開発・製造技術者の研鑽努力に触れました。

むろん、人に対する優しさだけではありません。「N700S」は「デュアル スプリーム ウィング形」と称される先頭形状の工夫などにより省エネ性能も追求しており、鉄道の特長である環境への優しさも備えています。

JR東海がこれまで培った技術を判断に盛り込んだ、13年ぶりのフルモデルチェンジ車両。”Supreme”のロゴを車体側面に描き、”最高”と自負し世に送り出した新型車両。それこそが「N700S」なのです。

N700Sの運用はN700系と共通であり、現時点では運用を予測することはできても狙って乗ることはできませんが、JR東海は「今後の運用情報については充当する列車が決まり次第、運行情報Twitterなどでお知らせすることを検討している」としています。いち早くN700Sに乗りたい方は、当該アカウントやJR東海のSNSアカウントに要注目、ですね。

文/写真:一橋正浩

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