“原宿店限定”が続々、日本初の都市型店舗「イケア原宿」は何がすごい?

JR原宿駅の正面に誕生した複合商業施設「ウィズ原宿」。ここに日本初、イケアの都心型店舗がオープンしました。

イケアといえばこれまで、広い売り場面積を持つ大型店を郊外に出店、駐車場を完備して車で来店するファミリー層を想定した店づくりをしてきましたが、今回開業した原宿店は今までの店舗とはちょっと違います。

若者が集まる原宿駅の目の前に位置し、既存店よりも家具の展示点数を減らし、雑貨やフード類を拡充。イケア原宿は何がすごいのか。ここでしか体験できない“原宿限定”がたくさん詰まった店内をめぐってみました。


「都市部での一人暮らし」にフォーカスした売り場

「都市部で暮らしている方は居住空間が限られていることが多いので、そういった環境でも心地よく暮らせる提案をしていきたい」そう話すのは、イケア・ジャパンの広報 松尾ちさとさん。

イケア原宿のターゲットは、都市部で暮らす若年層。2フロアにわたる店内は、そうした暮らしのニーズを反映させ、「眠る」「整える」「くつろぐ」「料理する」といった4つのテーマに分けて売り場をレイアウトしています。

ルームセットでは、限られたスペースをいかに有効活用するかを再現し、一人暮らしのニーズに対応したレイアウトを提案。またルームセットを構成しているアイテムの総額費用を提示し、低価格で実現できる部屋も展示しています。

「郊外の店舗に比べると取り扱い商品数は少ないですが、原宿店は一人暮らしなど都心部での限られた居住スペースでも使ってもらえるアイテムを中心に取りそろえています」と松尾さん。展示されている家具はおよそ1000点。実際に見て、触れることができます。気に入れば、店舗やオンラインストアを通じ、後日配送で購入することが可能です。

(このタグが付いている家具はAR上で部屋に配置した時のイメージを確認できる)

また、ベッドやソファなどの大型家具にはQRコードが記載されたタグが付いていて、店舗専用アプリをダウンロードしてそれを読み込めば、AR(拡張現実)上で実際に部屋に家具を配置したときのイメージを確認することもできます。

日本がお手本?世界初「スウェーデンコンビニ」

(カラフルなグミなどのお菓子もそろう、スウェーデンコンビニ)

同店のもうひとつの目玉は、世界初の「スウェーデンコンビニ」。日本のコンビニ文化からインスピレーションを受けて誕生したといいます。

ここでは、人気商品のフリーザーバッグ「イースタード」や、エコバッグ、電池、USBケーブルなどの雑貨をはじめ、植物由来の素材で作られたカップラーメン、スウェーデンの人気ブルワリー・オムニポロの低アルコールクラフトビール、チョコレートやグミといった食品まで豊富にそろいます。

(焼きたてのベーカリーがテイクアウトできる)

コンビニ内にはコーヒースタンドが併設されていて、コーヒーのほか、シナモンロールなど焼きたてのベーカリーも購入できます。特に、イケアラテ、アーモンドミルクラテ、プラントサンデーは原宿店限定商品なのでお見逃しなく。どれもテイクアウトすることができ、都市で生活する忙しい人のニーズに対応しています。

スウェーデンの伝統料理「ツンブロード」は原宿店限定

(原宿店限定メニュー「ツンブロード」は全16種類)

“原宿店限定”が楽しめるのは、2階の「スウェーデンカフェ」でも。スウェーデンの伝統料理「ツンブロード」が食べられるのは、原宿店だけだといいます。

フラッドブレッドに具材を包んで食べるツンブロードは、原宿の代名詞であるクレープに似ていることもあり、原宿とスウェーデンの文化の融合を図って作られたメニューです。スイーツ、肉・魚、野菜など、具材は全部で16種類。都心にありながら、価格は税込150円(キャラメルナッツ)からと低価格で提供されています。

すでに原宿店のフード全体の売れ筋で1位にランクインしている、ツンブロード。中でも一番人気は、ノルウェーサーモンがたっぷりは入った「サーモン(税込500円)」。次いで、ソーセージ、エビ、マッシュポテトなどが入った「クラシック(税込390円)」、植物由来のソーセージを使用した「べジソーセージ(税込200円)」と続きます。

カフェの座席数は感染防止対策のため、しばらくは40席に減らして運営するとしています。

原宿店では、家具の購入はもちろん、近くに寄ったついでに雑貨を見たり、小腹が空いたからカフェに寄ったり、目的がなくても「気軽に立ち寄ってほしい」と松尾さん。

家具や雑貨だけにとどまらず、スウェーデンの文化や食も身近に感じることができるイケア原宿。郊外の大型店とはひと味違った魅力が詰まっています。2020年の冬には、渋谷に2店目の都市型店舗がオープンします。郊外のファミリーから都市の一人暮らしへ、進化を続けるイケアから今後も目が離せません。

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