旭川で100年!地場産品支える段ボール

けいナビ

©テレビ北海道

今週は地域の産業や暮らしを探る、シリーズ「工場・建物探訪」。旭川の段ボール工場を紹介する。旭川市の片桐紙器。1911年創業で、主力の製品は段ボールなど紙製の箱。贈答用の菓子箱や弁当の包装容器なども手掛けている。昨年度の売り上げは、約22億円。

工場にあるのは、「フレキソフォルダーグルア」。全長70メートルにもなる機械で、1台約2億円。段ボール紙の印刷やカット、貼り付け、成形を行う。

次々と段ボールが裁断されていく

片桐紙器は、旭川で盛んな家具の製造も支えている。家具の梱包に必要な段ボールは、大きいもので幅4~5メートルに及ぶため、機械では扱えず、すべて手作業。単品注文も引き受け、高級家具メーカー「カンディハウス」も取引先。

片桐紙器の浅井傑社長は、「段ボール工場の商圏、境界は約半径100キロと言われている。段ボールは空気の層でできているため、遠方まで運ぶとコストが合わない。そのため地域ごとに工場があり、地場の産業を支えている」と話す。

片桐紙器の浅井傑社長

1961年に開設した、片桐紙器紋別工場。紋別で盛んな水産物の流通は、当時「生」の状態がほとんどだったが、水産加工技術の向上とともに加工品を運ぶための段ボール需要が高まり、工場の進出を決めた。

紋別工場で作っている水産物用の段ボール

片桐紙器紋別工場の鈴木秀憲部長は「1分間に100枚以上は作れ、生産効率はいい。同じ鮭でも、毎年取れるサイズや大きさ、重さが違う。それに合わせて微妙にサイズを変えていく」と話す。紋別の「デリカ食品」。15年ほど前からカニの加工品の梱包に段ボールを使っている。

表面の乾燥を防ぐため、段ボールごと水に入れる

デリカ食品の會澤勇部長は「表面の乾燥を防ぐために段ボールごと水に入れて凍らせ、氷の膜を作る。冷凍するのに、この紙の素材がいい」と話す。

旭川に隣接する東川町の高橋農園

旭川に隣接する東川町の高橋農園。20年ほど前から、食品メーカー大手のS&B食品の契約農家としてハーブ栽培を始めた。この農園では、ディル、チャービル、タイムなど、7種類のハーブを乾燥せずにそのまま出荷している。低温を保つため、輸送には発泡スチロールの容器を使うことが一般的だったが、かさばるため保管が難しく、処分にも困っていた。

段ボールには発泡スチロールよりも場所を取らない利点が

そこで、農協と片桐紙器などで、3年かけて段ボールケースの開発を行った。段ボールの真ん中に仕切りを付け、そこに保冷剤を入れることで、強度と保冷の両立が可能に。段ボールに切り替えたことで、発泡スチロールに比べて10倍以上の在庫の保管も可能になった。くり返し発砲を取りに行っていた農家の手間も激減した。

保冷剤を入れる仕切りを作り、強度と保冷を両立

段ボールへの切り替えは高橋農園の生産効率を当初の数倍に引き上げ 、来年、農園はビニールハウス3棟を増やすという。また、東川農協の林義浩部長は、「資材コストを約60%ほど削減できた」と話す。

災害時に活躍する段ボールベッド

片桐紙器では、紋別市との防災協定を結び、非常時に備えている。また、新型コロナの医療体制を支援するため、旭川市には約80万円で120ケースの段ボールベッドを納入した。
また、段ボールは緩衝材としての需要も高まっているという。スタジオにはワインが入った段ボールが。

ワインが入った段ボールを落とす杉村太蔵さん
再び落としてしまう杉村太蔵さん
中のワインは無事でした

地場の産業に寄り添い、アイデアあふれる梱包で地域を支えている段ボール。これからも活躍の場は増えそうだ。
(2020年7月4日放送 テレビ北海道「けいナビ~応援!どさんこ経済~」より)
過去の放送はYouTube公式チャンネルでご覧になれます。
TVh「けいナビ」