壱岐「うに屋のあまごころ壱場」閉店 新型コロナ 観光に打撃、地域への影響懸念

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営業最終日で空の商品棚が目立つ店内=壱岐市郷ノ浦町、うに屋のあまごころ壱場

 長崎県壱岐市郷ノ浦町の大型土産品店「うに屋のあまごころ壱場」が30日、閉店した。同市発祥のあまごころ本舗(大野妃富美会長、福岡市)が営業してきたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い観光客が著しく減少して経営を直撃。67年の歴史に幕を下ろした。
 同社は1953年、同町に壱岐の土産品店として開業。「あまごころ」では自社加工のウニ製品や干物などのほか、島内の製造業者が作る菓子や焼酎なども取り扱っていた。最盛期には年間10万人前後が訪れ、7億~8億円を売り上げた。
 しかし、新型コロナ感染拡大の影響で3月8日から5月26日まで休業を余儀なくされた。売り上げはほぼなくなった。経営が今期赤字になる見通しとなり、大型土産品店とその2階のレストラン、同町にある料亭を閉鎖することに。
 「あまごころ」は300人規模の団体ツアー、修学旅行の昼食や買い物を受け入れられる施設として同市の観光業に貢献してきた。市観光連盟によると、団体客を受け入れる同規模の施設は市内に他にない。「観光客の島での滞在時間短縮や、消費が落ち込む可能性がある」と、同連盟は壱岐観光への打撃となることに加え、店に商品を卸す製造業への影響も懸念する。
 「あまごころ」閉店に伴い43人が解雇。8割以上の従業員は再就職先はいまだ決まっていない。長崎労働局によると、県内でも1事業所の解雇人数として規模が大きく、地域の雇用情勢などの影響が懸念される。
 最後の営業日となった30日、「あまごころ」には市民らが買い物や食事に訪れ、閉店を惜しんだ。同社の船川勝治専務は「周りに多大なご迷惑を掛けると思ったが苦渋の決断。残念でしかない」と肩を落とした。