ロッテ8連勝から2連敗 専門家が首を傾げる正捕手のリードとは「根拠は何?」

ロッテ・田村龍弘【写真:荒川祐史】

初回に相手主砲に浴びた3ランが大きく響くも…「小島はまだ2年目の投手」

■楽天 5-3 ロッテ(27日・楽天生命パーク)

開幕2戦目から8連勝で首位に立っていたロッテは、楽天との“首位攻防戦”に連敗。同率首位に並ばれた。1日の試合では、先発の小島和哉投手が初回に浅村栄斗内野手に先制3ランを被弾。これが大きく響き、3-5で敗れた。ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜の4球団で捕手としてプレーし、2018年までヤクルトで2年間、バッテリーコーチを務めた野球解説者の野口寿浩氏は、田村龍弘捕手の立ち上がりのリードについて「もっと気を使ってあげないといけない」と言及。防げる失点だったと指摘した。

初回1死から鈴木に左前打を許した小島は、昨季2本塁打を浴びていた苦手のブラッシュをストレートの四球で歩かせた。ここで打席に迎えたのは、前日までリーグ2位の打率.400、同4位の4本塁打、同1位の15打点と好調の浅村。初球はチェンジアップでボールとなると、2球目の139キロの高めへの直球を完璧に捉えられ、豪快に左翼スタンドへと運ばれた。

野口氏は「ブラッシュへの苦手意識があってストレートの四球を与えたあと、浅村には初球チェンジアップでボール。この次の2球目に内角の直球を要求した根拠は何だったのでしょうか」と、このリードに首を傾げる。

「ここで内角でストライクを取りにいくほど怖いものはありません。これ以上ボールは投げられないという状況で、ストライクを取らないといけない。その中で内角を要求されたら、普通の精神力で投げられる投手はいません。ストライクのカウントの取り方を捕手が考えないといけない。失投させたようなものです。例えば、山本昌さんとか工藤公康さんみたいなピッチャーならまだ分かります。コントロールに定評があって、打者を見下ろして投げられるピッチャーなら。でも、小島はまだ2年目の投手です」

「どの投手をリードしているのか、打席に立っているバッターは誰なのか」

野口氏は、この場面でのリードの理由について「ちゃんと内角に来れば芯を食って打たれてもファウルでカウントを稼げる。いいところに来ればストライクもある、ということだったのでしょう」と推測。ただ、「それが内角でなければいけなかった根拠は分かりません」と続ける。

「相手が全く振れていない打者なら分からないでもありません。でも、浅村は打率2位、本塁打4位、打点1位という選手です。しかも、前日もホームランを打たれていた。最悪ヒットなら仕方ないですが、長打は避けないといけない場面でした。

どの投手をリードしているのか、打席に立っているバッターは誰なのか、ということをもっともっと考える必要があります。さらに、投げている投手のその時の心理状態とか、いろんなことに気を使ってあげないといけません」

小島はこの回、さらに1点を追加されて初回4失点。ロッテは追い上げたものの、この4点が響いて3-5で敗れた。いい流れで仙台に乗り込んだが、痛い連敗となってしまった。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2