「速球王」のカージナルス・ヒックス 開幕には間に合わず

カージナルスのマイク・シルト監督は日本時間7月2日、リリーフ右腕のジョーダン・ヒックスが開幕を故障者リストで迎える予定であることを明らかにした。ヒックスは昨年6月にトミー・ジョン手術を受け、戦列復帰に向けてリハビリを進めているが、今月下旬のシーズン開幕には間に合わない見込み。シーズン途中での戦列復帰が予想されている。

現在23歳のヒックスは、2018年にA+級からの「飛び級」でメジャーデビュー。今や球界を代表する速球派リリーバーとなり、昨年は全投球の45%以上が時速100マイル以上を計測し、メジャー全体の球速ランキングトップ10を独占した(最速104.3マイル)。

メジャー2年目の昨年は、開幕からクローザーを務め、29試合に登板して2勝2敗、14セーブ、3ホールド、防御率3.14を記録したものの、6月にトミー・ジョン手術を受けてシーズン終了。すでに投球練習ができるところまで回復しており、キャンプ地への集合日となった日本時間7月2日にはキャッチボールを行った。

シルトは「故障が再発することなく、ジョーダンがここまで順調に回復しているのは良いニュースだ。リハビリに取り組む彼の姿勢は素晴らしいし、私はとても誇りに思っているよ」と語る一方、「リハビリは決して簡単なものではない。特に終わりが近付いているときはね」と慎重な姿勢を示した。

カージナルスは、現時点ではヒックスが戦列復帰する具体的なスケジュールを定めていない。まずは、実戦形式の打撃練習で打者と対戦し、試合勘を取り戻していくことになるだろう。シルトによると、カージナルスは週ごとにヒックスの状態をチェックし、戦列復帰に向けた準備を進めていくようだ。

なお、ヒックスを欠いた状態で開幕を迎えるカージナルスについて、メジャーリーグ公式サイトは、ベテラン左腕のアンドリュー・ミラーか昨年飛躍を遂げた右腕ジオバニー・ガジェゴスがクローザーを務めることを予想している。

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