柳原良平さん作「横浜港今昔」 レリーフ原画を発見 アートミュージアムで公開

柳原さんのアトリエで見つかった陶板レリーフ「横浜港今昔」の原画=柳原良平アートミュージアム

 横浜ゆかりの画家・イラストレーター柳原良平さん(1931~2015年)が描いた陶板レリーフ「横浜港今昔」の原画が見つかり、横浜みなと博物館(横浜市西区)の柳原良平アートミュージアムが一般公開している。横浜港の開港期から現代までが大胆な省略や圧縮といった独自の技法で描かれ、ミナト横浜の歴史と魅力が凝縮。担当者は「レリーフと見比べて、それぞれの作品を味わってほしい」と呼び掛けている。

 レリーフは「横浜港の過去から現在まで」をテーマに2004年1月に完成。みなとみらい線日本大通り駅(同市中区)の地下1階に展示されている。3点で構成し、大きさはいずれも幅約2.7メートル、高さ約3メートル。開港期の黒船と明治時代の貨客船、豪華客船「クイーンエリザベス2」を並べて描いた作品もある。

 同館によると、原画は約30センチ四方の色鮮やかな水彩画。柳原さんの関係者が19年にアトリエを整理中に見つけ、同館に寄託した。アートミュージアムが3月に開館2周年を迎えたことを記念し、特集展示することが決まった。

 レリーフを制作したのは「クレアーレ熱海ゆがわら工房」(静岡県熱海市)の滋賀県・信楽にある工房。当時を知る谷本二郎さん(63)によると、柳原さんと妻の薫さんは何度も工房を訪れて進行状況を確認したという。谷本さんは「原画にはない陰影を表現し、立体にしていくことがレリーフの魅力。柳原さんが描いた2次元の原画を3次元に“翻訳”することにやりがいを感じた」と振り返った。

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