出火率、死者発生率 青森県が全国ワースト/2019年、消防まとめ/火災警報器の無料設置など対策急ぐ

©株式会社東奥日報社

1人暮らし高齢者の寝室に火災警報器を取り付け、説明する弘前消防本部職員=6月25日

 昨年1年間に全国で発生した火災のうち、青森県の出火率、死者発生率がともに全国ワーストだったことが2日、消防庁や県内消防本部などのまとめで分かった。原因について県や消防関係者は「分析は難しい」としている。ただ、犠牲者のうち高齢者が占める割合が高いため、各消防本部は1人暮らしの高齢者など「避難行動要支援者」の住宅に火災警報器を無料で設置するなどの対策を急いでいる。

 2019年に県内で発生した火災は606件(速報値)で、人口1万人当たりの出火件数を示す出火率は4.69と全国平均の2.95を大きく上回った。

 人口10万人当たりの死者数を示す死者発生率も2.86と全国の1.16を大きく上回った。2を超えたのは青森県と福島県、香川県の3県だけだった。県内での火災死者数は37人で、このうち特に高齢者が23人と半分以上の62.2%を占めた。

 青森、弘前、八戸の県内3主要消防本部ごとの数値を比べると、弘前の火災が146件で最も多く、出火率5.17も最高。青森は123件の4.09、八戸は130件の4.01だった。

 県内では、乾燥しやすく風が強い春先が、農作業の開始時期も重なり林野火災や、たき火・野焼きなどが原因の「その他火災」が多くなる傾向がある。年間のその他火災の割合は36.8%を占め、弘前は48.6%と3消防本部の中で最も高い。

 弘前消防本部の今教生予防課長は「昔は暖房器具を使う冬場に火事が多いのが常識だったが、暖房の改良などもあり、近年は春先の火災が一番多くなっている」と話す。

 同本部は毎年、住宅用火災警報器を無料で設置する事業を行っている。ただ、職員が実際に設置しに行く際に連絡が取れなかったり、「うちには必要ない」と断られたりすることもあるという。

 6月25日の無料設置活動では、担当者が弘前市内で1人暮らしをする88歳の女性宅を訪れた。煙を感知する寝室用火災警報器を5分ほどで取り付け「正常に作動するか定期的にチェックして」と説明。女性は「台所だけでなく、寝室にも付けなくちゃいけないと初めて知った。ありがたい」と感謝していた。火災警報器は県設備保守協会などから寄贈を受けたものを、支援が必要と判断した家庭に取り付けている。

 青森、八戸消防本部も同様の取り組みを行っているが、設置率は全国平均の82.3%に比べ県内全体で75.1%と低い。3主要消防本部では青森が85.6%と高く、八戸は79.8%。弘前は67.2%と県平均を下回る。弘前は3主要消防本部の中で死者数が16人と最も多く、死者発生率も5.67と突出しており、設置率の低さが反映される形となっている。

 今予防課長は「住宅用火災警報器の設置は義務。自分自身や家族の命を守るために必ず設置してほしい」と呼び掛けている。