ケーズデンキが依然好調、気づけば「1Q」は前年比121.6%の着地予想も

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新型コロナウイルスの影響で景気の回復力の弱さが指摘される中、ケーズホールディングス(ケーズHD)の勢いが止まらない。7月1日に発表した6月の売上高速報値は前年同月比140.5%と、5月の121.9%から、さらに勢いが増している。ケーズHD本部に話を聞いた。

6月の売上高速報値が前年比140.5%だったケーズデンキ

6月の商品別売上高の内訳をみると、テレビ(150.1%)、PC・情報機器(134.1%)、冷蔵庫(154.2%)、洗濯機(146.3%)、クリーナー(159.2%)、調理家電(143.5%)、理美容・健康器具(124.2%)、エアコン(149.7%)と、対象商品の全てで前年を大きく上回るペースだ。

ケーズホールディングスの月次速報より一部抜粋

「がんばらない経営」を企業コンセプトに掲げるケーズデンキは、長期にわたって持続的な成長を実現していくために無理な数字を追わないのが信条。例えば売上高なら前年比100数%をコツコツと刻んでいくのがケーズ流だ。しかし、速報ベースとはいえ、気が付けば2021年3月期の第1四半期(20年4~6月)は121.6%という好調な数字で着地する可能性も見えてきた。

BCNでは、業界の中でも突出したケーズデンキの動きについて6月17日付の記事で報じた。

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新型コロナ禍でも「ケーズデンキが絶好調」のなぜ(https://www.bcnretail.com/market/detail/20200617_178120.html)

その中で、外出自粛によるテレワークの浸透で、郊外における昼間人口が増えて、それが新規需要として売り上げの純増につながってることを指摘した。6月に入り、さらにその勢いは増しているようだ。

ケーズHD本部でも、「今年3月には全く予想していなかった想定外の数字というのが正直なところ」と戸惑いを隠さない。

しかし、「エビデンスがあるわけではないが、特別定額給付金によって需要の前倒しが起きているのかもしれない」と推測する。都心では一向に振り込まれる気配のない特別定額給付金にブーイングの嵐だが、郊外では住民に行きわたっている自治体も多い。人口が密集していない郊外ならではのメリットが、給付金のスピード支給という面でも生かされ、それが消費を後押ししているようだ。

例えば、冷蔵庫の154.2%という異例な数字の伸びについて「年末や来年に買い替えを予定していたお客様が、前倒しで買うような動きがみられる」と、需要の前倒しの例を踏まえて説明する。

エアコンは、例年よりも早いペースで猛暑日になった季節要因が大きいが、寝室や子ども部屋用に小さな2.2kWのエアコンなど、2台目需要も起きているという。ほかの小型家電でも、次いで買いなどの動きがみられるそうだ。

こうしたケーズHDの第1四半期の好調さは、前期の第2四半期(7~9月)の消費増税の駆け込み需要による落ち込み分を吸収する勢いだという。さらに、前期は7月後半まで長梅雨が続いたことでエアコンが低迷したのに対し、今期は猛暑予想からハードルは低く、さらなる上積みが期待される。コロナ禍の中、ケーズデンキの上半期の見通しは明るいようだ。(BCN・細田 立圭志)