神奈川県内大雨、箱根で350ミリ 芦ノ湖は氾濫危険水位

芦ノ湖の湖尻水門(資料写真)

 前線や低気圧に伴う神奈川県内の大雨で、2日までの総雨量は箱根町で350ミリに達したことが分かった。1日深夜にかけて各地で雨が強まり、横浜地方気象台は横浜、横須賀、小田原など計21市町に大雨警報を発表。箱根町の芦ノ湖では氾濫危険水位を超える状況が続き、横須賀市や三浦市で崖崩れが相次いだ。

 6月30日の降り始めからの雨量が350ミリに達したのは、箱根町強羅に設置された県の雨量計。気象庁のアメダス(同町芦之湯)でも312.5ミリを記録した。

 大雨の影響で芦ノ湖は水位が上昇。湖尻水門で30日午後から早川へ放流が行われたが、7月1日午後8時20分に氾濫危険水位に達し、2日も同水位を超える状態が続いた。近くに住む女性は「(芦ノ湖が氾濫した)昨年の台風19号の時ほどではなかったが、怖かった。もっと早く放流してほしい」と話した。

 県は台風19号を教訓に6月から、湖尻水門の事前放流を早める形に運用を見直しているが、「実施の前提となる72時間の予想雨量が発表されなかったため、今回は事前放流を行っていない」としている。

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