イワガキ稚貝 養殖業者へ 「濃い甘み」4トン見込む 長崎市水産センター

稚貝が入った養殖かごを引き揚げる長崎市水産センターの職員=同市牧島沖

 長崎市水産センター(牧島町)は6月30日、夏の味覚、イワガキを養殖している同市戸石・牧島地区で、稚貝約1万7千個を業者に販売した。
 イワガキは冬が旬のマガキよりも大型で、濃厚な味わいが特長。同地区では2009年から同センターが種苗を生産、漁業者が養殖し、13年から本格出荷している。“長崎生まれ長崎育ち”の味として市内の料亭などで親しまれ、年々需要が高まっているという。
 稚貝は同センターが約9カ月間、牧島沖のいかだで、水中に沈めた養殖かごに入れて育成。約3センチに育った稚貝を引き揚げ、5業者に販売した。今後、業者が3年ほどかけて1個300グラム程度に育て、出荷する。
 成長したイワガキは、5月1日から長崎魚市場などに出荷されており、市たちばな漁協は9月初旬までに約4トンを見込んでいる。
 同漁協かき部会の福島政茂部会長(49)によると、今年は新型コロナウイルスの影響で、春に需要が落ちたが、現在は持ち直しているという。「戸石・牧島地区は山と川が近く、植物プランクトンが豊富。日照時間が長かったので甘みが濃く育った」と話した。
 戸石フレッシュ朝市(戸石町)で、1キロ1200円程度で販売中。営業は午前7時~午後1時、火曜定休。

出荷サイズに育った養殖イワガキ

© 株式会社長崎新聞社