歌舞伎町ホストが短歌を詠む「ホスト万葉集」発売! "噓の夢 噓の関係 噓の酒 こんな源氏名サヨナライツカ"

営業前のホストクラブで開催される「ホスト歌会」。 短い言葉を駆使して生きるホストたちが詠んだ歌300首を集録した「ホスト万葉集」が2020年7月6日発売される。 販売/発行は講談社/短歌研究社。

2018年~出勤前のホストが月に一度集い、 開催された「ホスト歌会」。 歌会に参加したのは、 歌舞伎町のホストクラブ「スマッパ!グループ」の会長・手塚マキと所属するホスト75人。 2年間、 彼らに伴走し、 選歌・指南をしたのは、 ベストセラー『サラダ記念日』の著者・俵万智氏と、 歌壇で活躍する若手歌人の野口あや子氏、 小佐野彈氏。 ホスト歌会は、 NHKも注目。 BS「平成万葉集」も取り上げた。 ホスト歌会の約900首から、 笑って泣けて、 ちょっと切ない珠玉の300首を集録した。

2020年、 夜の街への外出自粛という、 歌舞伎町最大の危機の下、 ホスト達は生きている。 営業できない期間を自分磨きの時として、 Zoomで歌会や勉強会を続けたホストたち。 歌舞伎町のリアルな「今」を噛みしめる。 焦燥、 恋愛、 悩み、 希望、 欲望、 虚実の間の愛情ゲーム、 仕事と割り切れない男女の感情。

短歌とは、 感情を乗せる言葉の器だ。 客との掛け合い、 LINEでの営業など、 短い言葉を駆使して日常をおくるホストたち。 彼らと、 千三百年の歴史をもつ日本最古の表現形式=短歌。 実は、 これほど相性の良いものはないかもしれない。 編者 俵万智・野口あや子・小佐野彈とSmappa!Group会長・手塚マキによる座談会「ホスト短歌の原点は、 元祖チャラ男・光源氏です」も必読。

「ホスト万葉集」より抜粋

噓の夢 噓の関係 噓の酒 こんな源氏名サヨナライツカ

見つめ合い あ、 これダメだね 照れ笑い カラダは離すもココロは密で

夜が更けて意外と広いゴジラ前 静けさ光る靖国通 り

君からの返信ないが既読付く 俺に連絡いま自粛かな

自粛中ライトも消えた看板の 君の笑顔がなんか寂しい

錆びてなお耐えて耐えて耐え抜いて 磨き続ける輝く日まで

「ごめんね」と泣かせて俺は何様だ誰の一位に俺はなるんだ

眠らない街といわれたネオン街 たまにはゆっくりおやすみなさい

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