「喜TAKATA」販売企画が5日始動 被災地の海が育む日本酒

©株式会社福島民報社

日本酒の海中熟成に挑戦する岩田社長

 喜多方市の笹正宗酒造と岩手県陸前高田市の企画運営会社は、海に沈めて熟成した日本酒「喜TAKATA」を販売するプロジェクトを始める。五日に陸前高田市沖に沈め十カ月間熟成させ、来春に引き上げる予定。県内の酒蔵と津波被災地の企業が連携し、日本酒に新たな付加価値を生み出す。

 熟成させるのは笹正宗酒造の「純米吟醸 会津喜多方 笹正宗」。七百二十ミリリットル入りを百本沈める。同酒造によると、日本酒は海中保存することで波から伝わる振動や水温などが影響し、アルコールの刺激が和らぎ、味わいがまろやかになるという。社長の岩田悠二郎さん(33)は「日本酒の新たな魅力を見いだすチャンス。初の試みだが、技術面など酒造りの可能性を広げていければ」と期待する。両地区の物産店などでの販売を予定しているが、時期は未定。

 同プロジェクトには、北塩原村の裏磐梯レイクリゾート販売企画総括の小田嶋聡さん(45)がコーディネーターとして参加する。小田嶋さんは東日本大震災以降、被災地で復興ボランティアとして活動してきた。その活動が縁で、地域活性化などを手掛ける企画運営会社ぶらり気仙(陸前高田市)の川上桂佑さん(28)と出会い、プロジェクトを企画した。小田嶋さんは「今回の取り組みが両地区の『ひと、もの』の交流が広がるきっかけになればうれしい」と話す。

 五日のプロジェクト始動には、喜多方市の喜多方観光物産協会物産部会長の松崎健太郎さん(44)も参加する。海中熟成日本酒だけでなく、第二弾、三弾となるコラボ商品の開発を進めるという。

 来年四月から九月にはJR東日本の大型観光キャンペーン「東北ディスティネーションキャンペーン(DC)」が控えている。松崎さんは「新商品を通して両地区の絆を強め、東北全体の観光交流を盛り上げていきたい」と意気込でいる。